国連気候変動枠組条約事務局長のフィゲレス氏が7月に退任へ。COP21の取りまとめ役(RIEF)
2016-02-21 11:16:03
国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局長のクリスティアーナ・フィゲレス氏が、7月に退任する。昨年12月の気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の取りまとめ役として、先進国、途上国双方の信頼を得た采配が評価されていた。
フィゲレス氏は中米コスタリカの出身の外交官で、2010年にUNFCCCの事務局長に就任し、6年間要職を務めてきた。このほど、同条約の締約国宛の書簡で、7月6日の任期満了で退任するとの意向を述べた。
COP21をとりまとめたフィゲレス氏は書簡の中で、「われわれは今や、緊急にパリ合意を実行するフェーズに入っている。これからの活動は不断の決断と工夫、とりわけ人類としての尊厳と目的実現への協調の精神が求められる。われわれはそうした未来への仕事を成し遂げ得ると思う」と述べている。
COP21は、フィゲレス氏と開催国フランスのローラン・ファビウス外相が奔走して結実した。ファビウス外相も今月、外相を辞任、憲法会議議長に就任した。パリ合意の立役者二人が気候変動の表舞台から降りることになった。
フィゲレス氏の後任は国連事務総長の潘基文氏が各国と調整し、11月に予定するモロッコでのCOP22までに決定するとみられる。
フィゲレス氏は、コスタリカの大統領を3度務めたホセ・フィゲレス・フェレーラ氏の娘で、母親のカレン・オルセン・ベック氏はイスラエル大使を務めた政治家。父親はコスタリカの民主化・教育国家化の基礎を築いたことで知られる。兄のホセ・フィゲレス・オルセン氏も大統領経験者で、1997年に京都で開いたCOP3に参加した経緯がある。
小柄だがエネルギッシュで、まだ59歳。豊富な外交経験と知識、知見に加え、幅広い人的ネットワークを持つ同氏だけに、いずれは父や兄のように、同国の大統領になるかもしれない。2女の母。
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