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今夏の北極圏の海氷面積、観測史上過去二番目にまで縮小。毎年のように縮小する海氷面積。グリーンランドも氷河の溶解進む。米NSIDCの観測(RIEF)

2019-09-28 22:51:10

arctic3キャプチャ

 

 米国の「国立雪氷データセンター(NSIDC)」によると、今夏の北極圏の海氷面積は過去2番目の小ささを記録した。今年最小となったのは、9月18日で415万㎢だった。過去最小は2012年9月17日の339万㎢。北極圏の海氷は冬には1000㎢以上に拡大するので、半分以下に縮んだことになる。

 

 (写真のオレンジ色が過去30年の平均的な海氷面積)

 

 1979年以来の人工衛星による観測結果では、最近の13年間に最小面積の記録が集中しており、温暖化の進展が北極海の海氷を確実に溶かしていることを裏付けている。今年の海氷面積の最小サイズは、2007年、2016年の海氷面積と並ぶ同率2位。

 

 Arctic1キャプチャ

 

   北極圏では秋から冬にかけて、海氷が増大していく。ただ、年によっては日射条件や気温の上昇によっては、まだこれからも溶ける可能性がある。2005年や2010年などがそうだったという。今月18日の最少記録も昨年より4日遅れての達成だった。

 

 一方、熱波が続いた欧州に近いグリーンランドでの氷河等の溶解量は、現在までのところ2012、2016年に次ぐレベルとなっている。このうち、猛暑となった7月全体の溶解地域は39万7560㎢で、1988~2017年平均の33万7945㎢を大きく上回った。同期間の夏の溶解面積は、30年単位での観測では過去最大で、今年はそれを大きく上回ったことになる。

 

海氷減少で苦しむシロクマ「ちょっと何とかしてよ!」
海氷減少で苦しむシロクマ。「ちょっと何とかしてよ!溺れちゃうじゃないの」

 

 グリーンランドでは8月1日、一日の溶解量としては観測史上最大の125億㌧が記録された。1950年に観測を開始して以来、これほど大量の氷が一日で解けたのは初めてという。同日を含め、前後の数日間で、同地を覆う氷の表面の約60%が溶けたという。

 

 北極の海氷は海に浮かんでいるので、溶解しても海面上昇にはつながらない。しかし、グリーンランドの氷河が溶けて海洋に流出すると、海面上昇を加速させる。

https://nsidc.org/arcticseaicenews/