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三菱重・日立、電力統合会社に続いて、原発事業の将来的統合も検討へ (各紙)

2012-11-30 10:12:26

三菱重工の大宮社長(左)と日立製作所の中西社長が火力発電システム分野での事業統合を発表(29日、東京都千代田区)
各紙の報道によると、三菱重工業と日立製作所は29日、電力システム事業の統合を正式に発表した。統合対象は、ガスタービンなど火力発電所向けの設備が中心で、両社の主力事業の一つである原子力事業については統合対象から見送ったが、両社のトップは今後、同事業を含めて幅広く統合の枠を広げていくことを検討する考えを示した。

三菱重工の大宮社長(左)と日立製作所の中西社長が火力発電システム分野での事業統合を発表(29日、東京都千代田区)


現在、原子力事業は日立がGEと事業統合しており、三菱重工は仏大手アレバと提携している。このため、三菱と日立だけで統合することは、現時点ではできない。しかし、三菱重工の大宮社長は「提携先との関係も踏まえ時間をかけてできるところからやっていきたい」と述べた。また日立の中西社長も「多面的な発展を見極めて、どういう形の協業がいいか進める」と語り、統合の可能性を否定せず、今後原子力事業を含めて幅広い統合化を検討する考えを示した。

 

 両社はこれまでも、水力発電システム事業などで統合や提携を進めてきた。今回の電力事業の統合による新会社は2014年1月に設立される。電力システム事業の売り上げ規模が大きい三菱重工が株式の65%、日立は残りの35%を取得する。このため新会社は三菱重工の連結子会社となる。売上高は現在の2社の関連事業合計で1兆1千億円規模。独シーメンス、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の2強に続く。統合対象の事業は、電力事業のガスタービンやボイラーなどの火力発電関連のほか、地熱発電、環境装置、燃料電池なども含む。

 

両社のプレスリリース http://www.mhi.co.jp/news/story/pdf/20121129.pdf