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部品大手ミツバのインドネシア現地会社の元派遣社員が 違法解雇と 抗議デモ(各紙) 労働争議は中国だけではないんだ

2012-12-05 21:20:44

派遣労働の禁止と正社員としての再雇用を求め、日本大使館前で気勢を上げる日系企業の元従業員ら=インドネシア・ジャカルタで
各紙の報道によると、インドネシア・ジャカルタの日本大使館前で5日、自動車部品大手のミツバが設立した現地法人の元派遣社員800人を含む労働組合のメンバー約1000人がデモを行った。抗議の労働者らは、「派遣社員を違法に解雇した」と主張し、解雇された労働者を正社員として再雇用することや、派遣労働の禁止をアピールした。

派遣労働の禁止と正社員としての再雇用を求め、日本大使館前で気勢を上げる日系企業の元従業員ら=インドネシア・ジャカルタで


現地法人「ミツバ・インドネシア」はインドネシア国内に二か所の工場を持つ。最初の工場は2001年の設立で、二輪車用スターターモーター、ACG、ホーン、フラッシャーリレー、フューエルポンプなどを製造している。ミツバの工場で6年間働き、2カ月前に解雇されたイマム・スラディさん(25)は「会社は労組の結成を許さず、理由なしに我々を解雇した」と話した。「インドネシア人を苦しめるのはやめろ」と訴えた。

ミツバ・インドネシアの広報担当者は日本の報道機関に対して、「一部の解雇労働者は契約期間が終了してためで、残りの人も会社が禁じている抗議デモに参加したため、派遣会社を通じて契約を打ち切った」と説明し、違法な点はないと主張した。しかし、現地の法律上、問題はなくても、企業の社会的責任(CSR)の視点に立つと、労働者の団結権や集会の自由を無視したとすれば、日本国内の消費者や投資家らのステークホルダーに対しても説明が必要になる。

インドネシアでは今回のケースに限らず、経済成長に伴う格差拡大に労働者の不満が高まり、最低賃金の引き上げや派遣労働の廃止を求めるデモが頻発している。中国の労働事情と同様、途上国での操業に際しては、現地の法律の遵守(コンプライアンス)だけではなく、企業としての雇用方針、人権配慮の視点が欠かせない。