HOME |東電福島第1原発、また堰から溢れた雨水12か所から 汚染水も流出の可能性 原子力規制委員会も”黙認” (FGW) |

東電福島第1原発、また堰から溢れた雨水12か所から 汚染水も流出の可能性 原子力規制委員会も”黙認” (FGW)

2013-10-20 21:49:50

タンクからの排水をチェックする作業員
タンクからの排水をチェックする作業員
タンクからの排水をチェックする作業員


東京電力は20日、降雨の影響で福島第1原発の地上タンク群に設けた漏水防止用の12か所の堰から雨水が溢れ出し、放射性物質を含んだ汚染水が排水溝などに流れ出た可能性がある、と発表した。先の台風26号の際にも大量の放射性物質を含んだ可能性のある堰の水を流出させており、相次ぐ汚染水の流出を原子力規制委員会も”黙認”している形。



 東電は漏れた量を調べる一方、他のタンク群の堰から雨水があふれていないか監視を強める、としているが、台風26号の際も、事前の対策をとると宣言しながら、大量の漏えいを起こしており、汚染水の流出を防ぐどころか、むしろ雨に紛れて、積極的に排水している可能性も指摘されている。

今回、雨水が溢れ出たのは、第一原発の「H2南」「H2北」「G3東」「G6南」「G6北」と呼ばれるタンク群5カ所に設置されている12か所の堰から。「H2南」からは、6日採取した堰内の水からストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が、1リットル当たり2万9千ベクレル検出されていた。

東電によると、台風26号前は堰内に水が少ない状態だったが、今回の雨では、堰内の水位が30cmの堰の高さに対して、20cmを超えているエリアが生じたという。このため、10月20日午後2時頃から当初の予想(30mm~40mm/日)を上回る降雨(最大約30mm/時)により、現状の移送能力(1日数cmの堰内水位の低下)を上回り堰からの溢ふれたという。
10月20日午後5時時点の積算降雨量:約90mm
午後6時時点の積算降雨量:約102mm

 

東電は、緊急時の措置として、以下のタンクエリアにおいて、堰内の四隅の水を採取して分析した結果が排出基準を満たしていることを確認した後、ドレン弁を開操作し、堰内の水を堰外へ排水している、と説明している。

各タンクエリアの堰内の水の分析結果は以下のとおり。

・G3北タンクエリア(午後7時5分ドレン弁開)   セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:9[Bq/L])    セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:12[Bq/L])    ストロンチウム90 :4.1[Bq/L]

・G3東タンクエリア(午後7時23分ドレン弁開)   セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12[Bq/L])    セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17[Bq/L])    ストロンチウム90 :4.2[Bq/L]

・G6北タンクエリア(午後7時55分ドレン弁開)   セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:13[Bq/L])    セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17[Bq/L])    ストロンチウム90 :7.2[Bq/L]

 

 

http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1231551_5117.html