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三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)、2040年度に石炭火力発電向けプロジェクトファイナンスの融資残高ゼロを目標設定。統合報告書に盛り込む。みずほに次ぐ2行目(RIEF)

2020-07-30 17:48:54

SMBC002キャプチャ

 

 三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)はこのほど発行した統合報告書2020において、2040年度をメドとして石炭火力発電向けプロジェクトファイナンスの融資残高をゼロにするとの目標を掲げた。石炭火力向け融資残高ゼロに向けた目標の設定は、みずほフィナンシャル・グループに続いて2行目。

 

 SMBCは同報告書で、気候変動への対応として、TCFD提言が示すガバナンス、戦略等4つの分野での取り組み促進を掲げた。その中で「指標と目標」の分野で、2040年度までに石炭火力発電向けプロジェクトファイナンス融資残高ゼロを設定した。またすでに表明している2020年~2029年度の間にグリーンファイナンス実行額110兆円、29年度までに三井住友銀行のCO2排出量を2018年度比で30%削減することなども盛り込んだ。

 

SMBC001キャプチャ

 

 3メガバンクでは、みずほフィナンシャル・グループが現在約3000億円ある石炭火力向け融資残高を2030年度までに半減し、さらに2050年度までにゼロにする目標を示している。https://rief-jp.org/ct1/101436?ctid=67

 

 SMBCの「ゼロ目標」は、プロジェクトファイナンスに限定するほか、「カーボンリサイクルに資する技術を付した案件等、脱炭素社会への移行に向けた取引は除外」との例外規定を設けている。CO2排出量回収・貯留技術(CCS)等を併用する事業を指すとみられる。SMBCは8月中にも、TCFDレポートを発行して、より詳細な方針を開示する方針。

 

 SMBCの今回の方針に対して、気候ネットワーク(KIKO)等の環境NGO7団体は「一定の前進を歓迎する」との共同声明を公表した。その一方で「パリ協定の長期目標の達成には、先進国では2030年までに、途上国も2040年までに石炭火力の運転を完全停止する必要がある」と指摘。SMBCの2040年度ゼロ目標では、それまでに融資した石炭火力の操業がその後も想定されるので、「より早期の融資ゼロの達成が必要」としている。

 

 またNGOらは、SMBCの目標が、返済期間が通常15年程度と想定されるプロジェクト・ファイナンスを対象とし、当面の間、新規融資契約の余地を残している点に懸念を示している。その対象に、ブンアン2(ベトナム)やマタバリ5-6号機(バングラデシュ)が含まれると考えられるためだ。

 

 NGOは共同声明で「これらの案件は、パリ協定の長期目標と整合しないだけでなく、対象国では電力供給過剰状態の深刻化や、再エネのコスト低下に伴う経済合理性の欠如、現地の環境汚染や住民への人権侵害など、様々な問題がある」として、融資対象から除外するよう求めている。

https://www.smfg.co.jp/investor/financial/disclosure.html

https://www.kikonet.org/info/press-release/2020-07-29/SMBC-policy-update_2020