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三菱UFJフィナンシャル・グループ、新規の石炭火力発電事業向け融資全面停止へ。7月から実施。超々臨界圧石炭火力事業(USC)も停止。融資残高も2030年までに最大半減目指す(各紙)

2019-04-12 17:41:26

MUFG161キャプチャ

 

 各紙の報道によると、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFJ)は、石炭火力発電向けの新規融資を原則中止し、石炭火力向け融資残高を2030年度までに最大で半減させる方針を打ち出す。国際的な環境NGOが最近の発表によると、MUFGは化石燃料関連事業全体で、2016年から合計800億㌦(約8兆9000億円)を融資、石炭火力向けだけでも1兆円以上の融資を抱えている。新規の石炭火力向け融資を原則停止するのは、日本の大手金融機関では、三井住友信託銀行に次ぐ動きだ。

 

 MUFGの新方針は、5月中に正式決定し、7月から適用する方針という。MUFGは昨年5月、「MUFG環境方針・人権方針」を改定、石炭火力事業向け融資については、新規の融資について「OECD などの国際的ガイドラインを参考に、ファイナンスの可否を慎重に検討」と明記していた。

 

 日本の主要銀行で石炭火力融資の基本姿勢を示したのは初めてだった。だが、東南アジア等で議論になっている超々臨界圧石炭火力発電(USC)への融資については、継続する方針を示したことから、環境NGOらから引き続き批判を受けていた。他のメガバンクもMUFGとほぼ同様のスタンスをとった。

 

 MUFG162キャプチャ

 

 しかし、三井住友信託と、りそな銀行は、一歩踏み込んで「石炭火力向け新規融資は全面停止」とし、メガバンクと、準大手の間で、差が生じていた。機関投資家としては日本生命が原則、全面禁止措置をとっている。

 

 MUFGの環境方針改定は、2年連続となる。今回のMUFGの判断は、環境NGOからの批判だけでなく、グローバルに温暖化対策を進めていく中で、CO2排出量の多い事業への融資自体が、金融にとっても将来リスクを高めることになること等を踏まえた判断とみられる。銀行として保有資産の「クリーン化」は、金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告の実現にも沿うことになる。

 

 MUFGを含め、日本の3メガバンクは国際的なプロジェクトファイナンスやシンジケーションに参加する機会が多い。特に欧州系の主要金融機関の多くは、石炭火力事業と距離を置くスタンスをとっており、日本の金融機関にも同業者間での無言の圧力もあったとみられる。今回、MUFGが新規融資停止の範囲を事実上、USCにまで拡大することで、残りの三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループも、対応を問われる。http://rief-jp.org/ct6/88203?ctid=67

 

 

環境NGO、350.orgの調査による
環境NGO、350.orgの調査による

 

 報道では、「新設の石炭火力への融資は原則実行しない」と厳しい基準を設ける一方、融資残高の2030年度までに3~5割減らすという。既存の融資の引き揚げ(Divestment)は行わない方針とみられるが、融資残高の大幅な削減には、保有する融資債権を他の金融機関に売却するなどの行動をとる可能性はある。

 

 また、インドネシアやベトナム等で、邦銀が融資を目指すUSCプロジェクト案件が複数、存在し、地元住民や環境NGOが批判を続けている。MUFGの今回の措置は、すでに計画段階にある事業に対しては適用しない方針とみられる。だが、新規を停止し、計画中のものは従来通りに進めることに対して、「経営全体にとって、追加的な石炭リスクを高める」との批判が、株主等から出る可能性もある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43656780S9A410C1EA4000/

https://digital.asahi.com/articles/ASM4C53XWM4CULFA01B.html