HOME10.電力・エネルギー |富士山の湧水を利用した小水力発電設備、今月中に稼働。ニジマスを養殖する白糸滝養魚場が運営。発電量は全量、FITで売電。「湧水のクリーン電力」はひと味違うかも(RIEF) |

富士山の湧水を利用した小水力発電設備、今月中に稼働。ニジマスを養殖する白糸滝養魚場が運営。発電量は全量、FITで売電。「湧水のクリーン電力」はひと味違うかも(RIEF)

2020-08-03 16:31:56

fuji001キャプチャ

 

 富士山系の湧水を利用して養魚場を経営する白糸滝養魚場(静岡県富士宮市)が、同水を利用した小水力発電設備を設置、試験運転を開始した。8月中にも本格操業を開始する予定だ。同養魚場は名瀑として知られる白糸の滝の近くにあり、ニジマスを養殖している。ニジマスを育てるクリーンな水で作られる電力は、「ひと味」違うかもしれない。

 

 (写真は、導入した小水力発電設備)

 

 同社が導入する小水力発電機は、北陸精機(富山県魚津市)が開発した「パワーアルキメデス」。発電機は約3.5mの落差を利用して、発電出力は19.8kW。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して、全量、東京電力に売電する。

 

 「アルキメデス」は、発電装置を直接水路に設置できるほか、低落差、小水量での発電効率が高く、構造も簡単なことから、国内だけでなく、途上国等にも輸出されている。北陸電気によるとこれまでに、国内の農業用水路、下水処理場、工場排水路などに41台、海外ではフィリピン、ミャンマーに4台の、合計55件を納入している。

 

 発電機が設置されたのは、富士山系湧水が由来の半野川で、現在、同湧水を利用してニジマスを養殖している。発電機の設置を機会に、環境学習のために小水力発電機の見学コースも設ける。同養魚場の秋山徳浩社長は「観光資源としても生かしていきたい」と語っている。湧水の水量は冬季も安定していることから、将来は、災害時の非常用電源としての使用も検討しているという。

 

 また今回稼働させる小水力発電設備の運営状況をみながら、排水設備での発電についても検討していきたいとしている。

 

https://machipo.jp/location/13787

http://www.s-hokuriku.com/product/archimedes

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