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福島原発汚染水流出の「マーライオン」発言は、政府・東電が暗黙下で“意図的流出”を継続中と読めば、「適切な表現」だ(FGW)

2013-08-13 22:53:49

シンガポールの象徴、マーライオン
シンガポールの象徴、マーライオン
シンガポールの象徴、マーライオン


問題の発言は、原子力規制委員会の更田豊志委員が12日、東京電力福島第1原発の汚染水対策を検討する作業部会で発した。2年前の事故当初に発生した高濃度汚染水の海洋流出を「(規制委内部では)マーライオンと呼んでいる」と明らかにしたもの。

 

事故直後、2号機取水口付近にある作業用の穴(ピット)周辺で亀裂から汚染水が海に大量噴出していた様を、シンガポールのシンボルであるマーライオンが口から水を噴出していることに見立てたものだった。更田委員は、不適切な発言だったと撤回したが、マーライオンには、口から水を吐き出していることから「嘔吐する」との意味もある。生物に有害な放射能汚染水が原発から流れ出てきたので、ライオンが嘔吐していると考えると、適切な言葉といえる。

マーライオンは、シンガポールに5つある。そのうち本来の像は、セントーサ島にあるもので、意外と小さいので、観光客からは「世界三大がっかり」などと呼ばれている。東電原発も、事故収束宣言後に、相次いで汚染水漏れ事件を引き起こし、海洋流出にも至ったことで、福島の水産業は当分、信頼を失ってしまった。こうしたことを考えると、「まさにがっかり」の代表例で、その意味でも更田委員の表現は、適切に聞こえる。