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東京海上を社員が提訴 「不払い隠し 会社が強要」(東京)

2014-05-29 16:58:20

tokiomarinhdr_logo
tokiomarinhdr_logo東京海上日動火災保険で自動車保険金の不払いが新たに発覚した問題で、現役社員が三千万円の損害賠償を求めて会社と元上司を訴えた異例の裁判が二十九日から始まる。

 

原告の男性社員は「会社側に不払いを隠すよう強要されたのに、責任を押しつけられ、降格させられた」として、東京地裁に提訴した。裁判では、東京海上日動が不払い件数を少なくするための隠蔽(いんぺい)工作を組織的に行っていたか、顧客を軽視する経営姿勢だったかなどについても問われそうだ。


 訴状によると、金融庁が各社に保険金不払いに関する内部調査を命じた〇五年当時、原告の社員は支店で支払いを担当していた。会社側から「(支払い対象事案の)リストを絞り込み、極力ゼロにして報告せよ」との指示を受けたという。




 その後、社員は課長代理から主任に降格されるなど社内での待遇が悪くなった。納得できない社員が労働審判を申し立てたところ、当時の上司が〇六年の社内報告書で「関係書類を男性が破棄し、独断で支払い対象外と判断した」と責任を押しつけていたことが分かったと主張している。




 社員は本紙の取材に「会社は場当たり的にうそをつく体質を改め、反省してほしい」と話している。




 東京海上日動の広報部は「会社が不払いを指示した事実はない」とし、「係争中なので詳細なコメントは控えたい」としている。




 東京海上日動火災保険の不払い問題 2005年9月の金融庁命令を受け、損害保険各社は自動車保険や火災保険の一部で発生していた保険金の不払い件数と金額を調査。東京海上日動は07年3月、8万7000件の不払いがあったと公表した。だが、今年2月、東京海上日動で02年4月~03年6月の間に別の18万件の不払いがあることが新たに発覚した。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014052902000115.html