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英金融監督当局FCA、フィンテック技術をグリーンファイナンスに応用する企業・ベンチャー支援へ。日本的な補助金バラマキでなく、アドバイス、認証支援、市場テスト等の集中支援策(RIEF)

2018-10-23 22:46:57

FCA2キャプチャ

 

 消費者・投 資家保護規制や市場規制を行う英金融監督当局の「金融行為規制機構(Financial Conduct Authority:FCA)」は、金融サービス市場がフィンテック技術を活用して気候変動にチャレンジできるようにするため、フィンテック技術や同ベンチャーを支援する「Green FinTech Challenge」と名付けた支援制度を設けた。

 

 同制度は、英国のグリーン経済への移行を支援する革新的な製品・サービスを開発するスタートアップ企業や、既存企業、技術提供者らを支援する仕組み。支援の内容は、日本政府ならば、すぐに補助金配分となるが、そこが英国流は少し異なる。

 

 革新的アドバイザーによる支援、認可・認証取得支援、実験的な市場実践テスト、ガイダンスの提供・非公式な助言等、となっている。市場性をソフト面からサポートし、それで手応えが出れば、出資金等は民間投資家が自ずと投資してくれる、ということかもしれない。

 

FCA1キャプチャ

 

 支援対象として想定されるフィンテック関連のスタートアップ企業やベンチャー、技術保有者らは、①グリーン金融製品・サービスへの投資を支援する②グリーン金融商品の発行、販売、実行の効率化を促進する③市場参加者がさらされる気候関連リスクを制御する④環境影響評価⑤新たなグリーン金融商品の発掘――など。

 

 グリーンファイナンス関連だけでなく、より幅広く、エシカル(倫理的)で社会的インパクトがあるもの、もしくはESG関連製品・サービスなどに関連したフィンテック事業も、グリーンファイナンス事業との関連性を持たせるという条件で、支援の対象となる。

 

 支援評価のクライテリアは、①グリーン経済への移行を支援する内容かどうか②英国の市場と消費者に利便をもたらす③支援を必要とするかどうか、の3点。これも日本政府の補助金評価の基準に比べて、簡潔で明瞭だ。後は、審査する側に「目利き力」があるか、ということのようだ。

 

 FCAは来年1月11日が応募期限。選考結果は来年第一四半期末に公表する予定だ。

 

https://www.fca.org.uk/firms/fca-innovate/fintech-challenge