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日米欧の主要12金融機関 温暖化対策等に資金供給する「グリーンボンド原則」に支援表明(FGW) 日本から みずほ、大和証券が参加

2014-01-15 23:42:00

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CERESlogoバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BOA)、シティバンクなど米欧日の12金融機関は、温暖化対策や水資源・環境保全を金融面から促進するために金融市場の資金を振り向ける「グリーンボンド原則(GBP)」に賛同、市場育成を進めるとの共同声明を出した。民間ベースのグリーンボンドの発行・流通が国際的に広がると、途上国向け温暖化対策などにも年金基金等の長期投資の対象になる可能性が期待される。

 

「グリーンボンド原則(GBP)」は、BOAとシティなどの4金融機関が同ボンドを発行する事業体や金融機関等向けに、自主的ガイドラインとして共同作成した。日本のみずほ銀行と大和証券を含む他の8金融機関は、この原則の普及に賛同する形で支援を表明した。ボンドの発行基準が整理されると、流通市場の形成に役立つ。グリーンボンドの流通市場が成立すると、ボンド発行がしやすくなるという好循環が期待される。

グリーンボンドの対象事業として想定されているのは、再生可能エネルギー事業、エネルギー効率化事業(グリーンビルディングを含む)、持続可能な廃棄物マネジメント、持続可能な土地利用(持続可能な森林管理と農業を含む)、生物多様性保全、クリーン輸送(自動車、公共交通機関)、水資源の浄化、飲料水確保事業など。

これまでも、世界銀行などの国際公的金融機関が、途上国向けの温暖化対策促進のための事業資金としてグリーンボンドを発行したり、民間の事業者も自分たちの事業への投資を目的とした債券発行する事例はいくつか起きている。しかし、その大半が出資した投資家らが持ちきりで、流通市場の形成には至っていない。そのため市場規模の拡大が見込めていない。

GBPは、ボンド発行の手順・手法を明確化することで、金融商品としての透明性と情報開示を高め、流動性を生み出すことが主な目的だ。GBPには①ボンド発行で調達した資金の使途②対象事業の評価と選別の手順③調達資金のマネジメント④情報開示のための報告、の4点が重要な要素として組み込まれる。

地球温暖化問題では、現在、政府間ベースで2020年以降のポスト京都の国際的枠組み交渉が続けられている。その最大の課題は、途上国にも温暖化ガス削減を義務的に実施してもらう点にあるが、そのためには、先進国からの相応の資金協力が求められる。国際交渉はその金額、手法を巡る南北の駆け引きになっている。

ただ、先進国政府からの政府開発援助(ODA)などの公的資金だけで、途上国の資金ニーズを満たすことは不可能。そこで、金融市場の資金を活用する仕組みづくりが求められてきた。GBPはそうした民間への期待に主要金融機関が答える形で打ち出されたわけだ。

民間ベースで気候変動資金をボンド発行で調達する市場づくりを提唱してきたクライメートボンド・イニシアティブ(CBI)の代表でCEOのSean Kidneyは,「GBPを立ち上げた銀行団の活動は賞賛に値する。特に投資家にとって透明性の拡大につながるだろう」と歓迎している。

GBP支援の金融機関は次の通り。

Bank of America Corporation (NYSE: BAC), Citigroup Inc. (NYSE: C), Crédit Agricole CIB (EN Paris: ACA), JPMorgan Chase (NYSE: JPM), BNP Paribas (PA: BNP), Daiwa (JP: 8601), Deutsche Bank (NYSE: DB), Goldman Sachs (NYSE: GS), HSBC (LSE: HSBA, NYSE: HBC, HK: 0005), Mizuho (NYSE: MFG), Morgan Stanley (NYSE: MS), Rabobank and SEB (SS: SEBA)