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日立が5MW級のダウンウィンド方式洋上風力発電システムを開発, 2015 年度販売へ(FGW)

2012-07-12 19:40:33

日立製作所は、洋上風力発電システムの大型化ニーズに対応するため、ダウンウィンド方式の特徴を生かした5MW級ダウンウィンド洋上風力発電システムの開発に着手した。同方式としては世界初の大型発電となる。2014年度から実証試験を開始し、2015年度の販売開始を目指す。
 今回の5MW級ダウンウィンド洋上風力発電システムは、経済性を向上するため、風力発電システム全体を軽量化するなど、新技術を投入して高性能・高効率の風力発電システムを開発する。また、今回の開発に加え、今後、需要の増加が見込まれる、低風速域対応の2MWダウンウィンド陸上風力発電システムの開発も推進する。

日立が風力発電システムで採用しているダウンウィンド方式は、丘陵地帯など吹上風が吹く地帯での発電量が多くなる特徴がある。それを浮体式洋上風力に応用することで、同方式の特徴が大きく生かされるとしている。着床式洋上風力では、風見鶏効果により風荷重が低減されるため、基礎工事コストが低減できる。着床式洋上風力として納入した同社の風力発電システムは、東日本大震災に耐えたという事例も報告されているという。
 浮体式洋上風力の実証実験は、環境省が100kWの実証試験を五島列島で開始しているほか、経済産業省が福島県沖での実証試験を計画している。今後、洋上風力発電システムは、着床式・浮体式ともに市場が伸びることが期待されるため、日立は、両実証試験に参画するとともに、着床式・浮体式両方に適した風力発電システムを開発を目指す。

日立は、2012年7月に富士重工業株式会社から風力発電システム事業の事業譲渡が完了した。新たに製品名「HWT」(Hitachi Wind Turbine)シリーズとして、日立事業所 埠頭工場(茨城県日立市)で開発・製造をはじめている。日立は現在まで、約70基の2MWダウンウィンド風力発電システムの受注実績がある。今後、さらに営業活動を強化して、2015年度に風力発電システムで国内トップシェアを目指すとしている。

今後も、風力発電システムをはじめとした社会インフラを支える製品の開発を進め、環境性能に優れた風力発電システム等の自然エネルギー事業を推進し、低炭素社会の構築に貢献していく、としている。

http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/07/0712.html