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日航、丸紅等の4社。廃プラスチック等の廃棄物から、航空機用の代替燃料製造・販売へ。事業性調査を共同実施。2026年の使用目指す(RIEF)

2020-02-26 00:54:48

代替航空燃料はすでに活用されている。米サンフランシスコ空港

 

  日本航空、丸紅、日揮、JXTGエネルギーの4社は25日、廃プラスチックを含む産業廃棄物・一般廃棄物等を原料とした代替航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)を国内市場で製造販売するための事業性調査を、共同実施すると発表した。国際航空については、2021年以降、排出量を増やさない規制の導入が決まっており、代替燃料にはそのための削減効果が期待される。4社は2026年をめどに定期航空便での使用を目指すとしている。

 

 航空機によるCO2排出増は、スウェーデンの環境活動家のグレタ・ツゥーンベリさんが航空機での旅行を拒否したことをきっかけに、航空機に乗ること自体を「飛ぶ恥(Flight Shame)」と呼ぶ動きも出ている。航空機への風当たりが高まる中、国際民間航空機関(ICAO)は、国際航空について、2021年以降のCO2排出量を増やさないという規制を導入する。http://rief-jp.org/ct4/64928

 

JAL2キャプチャ

 

 このため各航空会社は、規制に適合するため、新技術の導入、運航方式の改善、バイオジェット燃料の導入、代替燃料の確保、カーボンクレジットの購入等の対策を進めている。

 

 日航等の4社は、「グローバルな航空輸送需要の拡大に伴い、地球温暖化による気候変動への対応が喫緊の課題。廃プラ処理も社会的課題であり、持続可能な社会を実現するには、より革新的な手法での処理が期待される」として、廃棄物原料の代替航空燃料製造を目指すこととした。

 

 今回の事業性調査の共同実施では、米国の代替航空燃料製造企業Fulcrum BioEnergy社の技術を活用する。同社には、2018年9月にJALと丸紅が海外交通・都市開発事業支援機構と共同で出資している。調査では、リサイクルされず、国内で焼却・埋立処理となっている中・低品位の廃プラを含む産業廃棄物や一般廃棄物を原料として、国産の代替航空燃料を製造・販売するためのサプライチェーン構築を目標とする。

 

各社の関係と役割
各社の関係と役割

 

 4社は、廃棄物処理等に実績のある大成建設、タケエイとの間でも共同調査の覚書を結んだ。参加企業はそれぞれの専門性を生かして役割分担する。期間は、今月から年末の12月にかけ、廃棄物の収集・処理システムの検討や製造プロセスの技術評価、製品のロジスティックスの評価、LCAによるCO2排出量削減効果の検証等を行う。調査結果を元に、2020年代前半に実証設備の導入と試験の実施、そして2025年頃に商用機の着工、26年に実際の燃料使用に踏み出す計画だ。

 

米社が活用している燃料製造プラント
米Fulcrum BioEnergy社が活実証化している燃料製造プラント

 

 ICAOが導入する国際規制では、各航空会社は2021年以降、CO2排出枠を上回る排出をした場合、別途、排出枠を購入してオフセットする義務を課せられる。代替燃料はこのオフセット義務の対象外となる。


https://press.jal.co.jp/ja/release/202002/005501.html?_ga=2.224818398.515849504.1582642388-1681970736.1582642388

http://fulcrum-bioenergy.com/partners/equity-investors/