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「原発 - 21世紀の不良資産(原題:Toxic Assets-nuclear reactors in the 21st century)」に寄せて(FGW)

2012-06-13 07:58:29

GPtoxicassets
(グリーンピースの東電レポート(原発ー21世紀の不良債権」)について、推薦文を書きました): 

本レポートは、東京電力福島第一原子力発電所事故を契機に、原子力、電力会社に対する「金融のあり方」に初めて本格的なメスを入れた分析である。「Toxic Asset(有毒資産)」のネーミングは、金融にとっての問題意識を極めて的確に表している。



すなわち、通常の不良資産なら、金融機関の損害は最大でも融資額止まり。だが、原発向け投融資の場合、環境、健康の損害額は名目資産額を大きく上回りかねない。

電力会社の破綻だけではない。
資金を出した金融機関も回収どころか、自らも投融資額を上回る健康・環境被害の「原発債務」の共同責任を問われる。

まさに東電とメガバンクが現在直面する姿だ。本レポートの警告は、コストの大きさにとどまらない。
本来、福島の事故は、市場のリスクを見定める金融機関が、格付け、分析、審査・評価等の諸機能を有効に働かせておけば、早い段階で防げたはずだ。
そうならなかったのは、電力、重電、金融の3者が独占構造下で、それぞれの本来機能を忘れ、「リスク無視」の超過利益を貪り合ったためではないか。数字に裏付けられた本レポートの分析は、そうした実像を浮かび上がらせる。

 

福島事故にもかかわらず、原発は途上国向けに増設され、改善したとされる新型原発が喧伝される。
本当にそうか。金融は、自らの資産の解毒のためにも、レポートの指摘に正面から答えるべきだろう。

レポートの内容: http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/toxicassets_JPEs.pdf

 

http://www.greenpeace.org/japan/ja/library/publication/toxicassets/