HOME10.電力・エネルギー |日産自動車、電気自動車(EV)シフト明瞭に。今後5年間でEV中心の電動車開発に2兆円投資。2030年度のグローバル市場での電動化率50%以上を目標に。日本市場は55%以上(RIEF) |

日産自動車、電気自動車(EV)シフト明瞭に。今後5年間でEV中心の電動車開発に2兆円投資。2030年度のグローバル市場での電動化率50%以上を目標に。日本市場は55%以上(RIEF)

2021-11-29 16:05:07

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 日産自動車は29日、今後5年間で電気自動車(EV)等の電動車の開発に約2兆円を投資することを明らかにした。2030年度には、日本市場での電動車比率を55%以上とするほか、グローバルベースで50%以上とする。また28年度までに蓄電池コストを現状より65%削減するとともに、蓄電性能の高い全固定電池(ASSB)を導入するとした。EVで先行する欧米の自動車メーカーなどと並び、電動車市場を軸とした次世代社会構築に商機を見出す構えだ。

 (写真は、社長兼EOの内田誠氏㊨とCOOのアシュワニ・グプタ氏㊧)

 同日発表した長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の中で打ち出した。それによると、電動車開発を加速するため、2030年度までに15車種のEVを含む23車種の電動車をグローバル市場で導入し、ニッサン、インフィニティの両ブランド合計で電動車比率50%以上を達成する。

 それに先駆けて2026年度までに、EVとe-Power搭載車を合わせて20車種を導入する。主要市場での26年度までの電動車販売比率は、もっともEV化が進む欧州市場では75%以上、日本市場で55%以上とし、中国と米国市場はいずれも40%以上の目標を設定した。米国市場はEVだけで2030年度の達成を目指す。

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  電動車の軸となる蓄電池については、現在主流のリチウムイオン電池の性能をさらに進化させ、コバルトフリーの技術等を導入すること等で、2028年度までに1kWh当たりのコストを現状より65%削減する。さらに蓄電機能を向上させるため、充電性能、動力性能・走行性能等の高い全固体電池(ASSB)の実用化に2028年度までに踏み切る。

 ASSBのコスト削減に努め、28年度には1kWh当たり75㌦、その後、65㌦水準にまで低減させる。これにより、ガソリン車のコストと同等レベルにまでコストダウンできる。パートナー企業との協力で、26年度までにグローバルな電池生産能力を52GWh、2030年度までに130GWhへと引き上げる。

 また高速道路の単一車線での運転支援技術である「プロパイロット」システムを、2026年度までにニッサン、インフィニティ両ブランド合わせて250万台以上で販売することを目指すとしている。2030年度までには、ほぼすべての新型車に高性能な次世代ライダー技術を搭載する。

 同社の社長兼CEOの内田誠氏は「社会のニーズや期待に応えるために、企業が果たすべき役割と責任は、ますます大きくなっている。顧客や社会から真に必要とされる持続可能な企業へと日産を変革していく」とコメントしている。

https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/211129-00-j