HOME |ホンダ、初のグリーンボンド発行。ドル建て27億5000万㌦(約3160億円)。資金使途は、ソニーと共同開発の高付加価値電気自動車(EV)開発等にも充当(RIEF) |

ホンダ、初のグリーンボンド発行。ドル建て27億5000万㌦(約3160億円)。資金使途は、ソニーと共同開発の高付加価値電気自動車(EV)開発等にも充当(RIEF)

2022-03-05 14:30:59

hondaキャプチャ

 ホンダは4日、同社として初となるグリーンボンドをドル建てで27億5000万㌦(約3160億円)分、今月中に発行すると発表した。資金使途は、電気自動車(EV)の開発資金等に充当するとしており、同時に発表したソニーとの協働による高付加価値のEV共同開発事業等に伴う車載蓄電池の開発や生産ライン等にも活用する。

 (写真は、記者会見するホンダの三部敏宏社長)

 ホンダが発行するグリーンボンドは、期間3年(10億㌦)、同5年(同)、同10年(7億5000万㌦)の3種類。ボンド発行に際して、サステナブル・ファイナンス・フレームワークを設定した。同フレームワークでは、調達資金の使途先として、グリーン事業について、①クリーン輸送②再生可能エネルギー③エネルギー効率④リユース・リサイクル⑤持続可能な水資源及び廃水管理)の5事業を、ソーシャル事業については①福祉車両②安全運転支援・自動運転関連技術、の2事業を設定している。

 フレームワークの適格性については、Moody’sグループのVigeoEirisが、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)とソーシャルボンド原則(SBP)への適合性を評価している。日本の環境省と金融庁が設定している日本版のグリーンボンドガイドラインとソーシャルボンドガイドラインは、国際的投資家からは評価の対象外とされているので、言及していない。

 VigeoEirisの評価では、GBP等が設定する資金使途、プロジェクトの評価と選定のプロセス、調達資金の管理、モニタリングとレポーティングの4項目について、同社の4段階評価で上から二番目の「適合」とランクした。また適格プロジェクト全体のサステナビリティへの貢献度合いについては、「クリーン輸送」と「福祉車両」の2項目は、最上位の「先進的」と位置付け、その他の「再生可能エネルギー」等の5項目は二番目の「良好」と評価した。

 

 グリーンボンドの資金使途には、同日発表したソニーとの協働による高付加価値のEV開発事業も含まれる。両社は今年中に共同会社を設立、EVの開発・販売とともに、モビリティ向けサービスの充実拡大を事業化していくとしている。ホンダ・ソニー協働による新EVは2025年に初期モデルを販売する予定。

 

 設立する共同会社は、EV車両の企画、設計、開発、販売などを行うが、製造設備は自ら保有せず、初期モデルの製造はホンダの車両製造工場が担う予定。モビリティ向けサービスプラットフォームは、ソニーが開発し、新会社に提供する。

 

 ホンダは、2050年に、同社が関わるすべての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラル(CO2排出量の実質ゼロ)を目指すことを宣言している。乗用車の新車販売については2040年までにEVと燃料電池車(FCV)だけにする。世界最大のシェアを持つ二輪車についても電動バイク化を進めている。

 

 これら主要製品のEV化等のための研究開発費等として、21年からの6年間で5兆円を投じる計画を発表している。今回のグリーンボンドはその資金調達の一つとなる。EVの開発には1車種当たり500億円規模の投資が必要とされる。

https://www.honda.co.jp/news/2022/c220304.html

https://www.honda.co.jp/news/2022/c220304b.html

https://vigeo-eiris.com/wp-content/uploads/2022/02/0223_V.E_SPO_JP_Honda_Final.pdf