HOME10.電力・エネルギー |サントリー、山梨県が企業等と開発した「グリーン水素システムP2G」を、同県でのミネラルウォーター、ウィスキー製造工場に導入へ。国内最大の発電規模16MW。2025年にも(RIEF) |

サントリー、山梨県が企業等と開発した「グリーン水素システムP2G」を、同県でのミネラルウォーター、ウィスキー製造工場に導入へ。国内最大の発電規模16MW。2025年にも(RIEF)

2022-09-05 20:50:13

suntory001キャプチャ

 

 サントリーホールディングスは5日、山梨県と環境調和型の持続可能な社会の実現に向けた基本合意書を締結した。それに基づき、同県が東レと共同開発した再生可能エネルギーから水素を製造するグリーン水素製造システム「やまなしモデルP2Gシステム」を、2025年にも同社の工場・蒸溜暑所に導入すると発表した。導入するP2Gは、発電規模16MWでグリー水素製造用のP2Gシステムとしては国内最大という。「CO2フリー」のミネラルウォーターと、同ウィスキーが誕生することになる。

 

 (写真は、サントリーの天然水南アルプス白州工場と白州蒸溜所の全景)

 

 「やまなしモデルP2Gシステム」は、経産省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造プロジェクト」に採択、開発された事業だ。同事業には東レ、独シーメンス・エナジーAGの日本法人、山梨県企業局、東京電力など8者が共同参加した。水素製造の軸となる水電解技術は、純水を使用するシーメンスの「固体高分子(PEM)形」を採用している。https://rief-jp.org/ct10/117727

 

 サントリーでは同P2Gシステムを、2025年に山梨県下にある同社の天然水南アルプス白州工場と白州蒸溜所へ導入する。両工場で使用する熱エネルギーの燃料をグリーン水素に切り替えることで、CO2フリーのミネラルウォーターと、ウィスキーの製造を実現する。同時に、山梨県と共同で、周辺地域等でのグリーン水素活用についても取り組んでいく、としている。

 

 P2Gシステムを開発した山梨県では、甲府市にある米倉山電力貯蔵技術研究サイトで実証化を進めてきた。同県の開発システムは、年間45万~50万N㎥の水素生産能力がある。これまで県内の日立パワーデバイスの山梨工場(山梨県中央市)やスーパーのオギノ(甲府市)、キッツの長坂工場(山梨県北杜市)等に供給している。サントリーの場合は、システムそのものを導入することで、P2Gシステム普及促進につながると期待されている。https://rief-jp.org/ct5/124325

 https://www.suntory.co.jp/news/article/14225.html?fromid=top