HOME10.電力・エネルギー |手抜き除染の元請ゼネコン社は、原発建設の元請でもあった(FGW)原発を作って稼ぎ、除染で稼ぐ。福島第一、第二は鹿島 |

手抜き除染の元請ゼネコン社は、原発建設の元請でもあった(FGW)原発を作って稼ぎ、除染で稼ぐ。福島第一、第二は鹿島

2013-01-10 14:56:38

jyosenfukushima
福島県下で起きている手抜き除染の問題で、除染事業の元請ゼネコンの大半が、全国の原発の建設の請け負い業者でもある。原発建設で稼ぎ、事故の除染でも稼ぐ、しかも手抜きで除染よりも汚染の拡散をする。このゼネコンのしたたかな行動は、CSRの責任というより、企業そのものとして存立する意義が疑われる。

「造ることで稼ぎ、壊れても稼ぐ。大手ゼネコンが握る「除染利権」」これは、2011年12月8日の東京新聞の見出しである。同紙はゼネコンの除染利権にメスを入れる記事を掲載していた。

記事の冒頭を引用しよう。

「その早さに驚く。被災地ではない。原子力ムラである。福島原発事故後の除染モデル事業は独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)が担うが、同機構が再委託する三つの共同企業体(JV)の幹事会社が原発建設の受注でトップ3を占める大手ゼネコンであることが分かった。(注:その後前田建設工業も事業に参加し4社に)そこには造ることで稼ぎ、壊れても稼ぐという「モラルなき構図」が浮かび上がる」

原発建屋の建設は右図でみるように、鹿島がダントツの受注で、過半を受注、それ以外を、大林組、大成建設、竹中工務店、清水建設が、分担する構造だ。Tokyozenekontkop141

原発建屋の建設を請け負ったゼネコンのうち、鹿島、大林、大成の3社が、除染事業でも請負の中心になっている。こうした原発を巡る利権問題については、青山貞一氏のブログ:http://eritokyo.jp/independent/aoyama-pol115…html

が詳しい。

だが、問題なのは、こうした利権構造について、1年以上も前に指摘されているにもかかわらず、行政が何ら対応した形跡がなく、いわば“ゼネコン丸投げ”の形で、手抜き事件につながったとみられる点である。東京新聞以外のマスコミは、この問題を一過性のように扱ってこなかったか。見ないふりはできても、放射能汚染はいつまでも消えない。

原発の原子炉製造、送配電の建設で、重電メーカーと電力会社が、随意契約という名の寡占体制をつくり、さらには建屋の建設から事故後の処理まで、ゼネコンに仕事を丸投げするという構造。そのゼネコンは、下請け・孫請けにおろし、不祥事を重ねる。本当に、これで、日本経済に新たな成長機会が生まれるのだろうか。

除染事業の元請ゼネコンの担当地域
除染事業の元請ゼネコンの担当地域