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東電、処理後の汚染水を海へ放出方針に切り替え 貯蔵タンクで保管しきれず(各紙) 海洋汚染、福島産魚介類の汚染懸念広がらないか?

2013-01-24 23:33:49

福島第一原発の敷地内に並ぶタンク。増え続ける汚染水を貯蔵するため震災後に約1千基が設置された
福島第一原発の敷地内に並ぶタンク。増え続ける汚染水を貯蔵するため震災後に約1千基が設置された
福島第一原発の敷地内に並ぶタンク。増え続ける汚染水を貯蔵するため震災後に約1千基が設置された


各紙の報道によると、東京電力は24日、福島第1原発で増え続けている放射性物質を含む汚染水を、除去処理後に海に放出する方針を示したという。現在は、処理した水は原子炉内で循環させているほか、汚染水については建屋内で保管しているが、貯蔵量が限界に達しているため。東電は、基準値以下に処理した水を放出するとしているが、地元住民の反発だけでなく、魚介類汚染の懸念もある。

東電の方針は、廃炉計画を議論している原子力規制委検討会の場で明らかにされた。東電は「法令で定められている濃度未満に処理し、関係者の合意を得ながら行う」と説明した。東電はこれまで汚染水の海洋放出については「関係省庁の了解がなければ行わない」としていた。

福島第1原発では、原子炉に注水し燃料を冷却。使い終わった水は放射性セシウムを除去して再び原子炉で循環させている。原子炉建屋には汚染水が増加、貯蔵タンクを追加設置してしのいでいる。

基準値以下に処理できるなら、放出せず冷却水として循環させるのが基本。それ以外に汚染水が積みあがるということは、建屋内で放射能濃度の高い作業等が行われているため思われる。これまでも2011年3月11日の事故後にかなりの汚染水を放出しているはずだが、それらの情報開示も不十分で、今後の分だけ「関係省庁の了解」で進めるといっても、信頼できるのか。海外では、東電による海洋汚染、魚介類汚染への不信感が引き続き高まっている。海洋は世界とつながっているので、日本の国内だけの問題ではない。