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東電原発建屋周辺の地下水 4月にも汲み上げ海洋放出実施へ 福島第1原発所長会見(各紙)

2013-03-01 09:31:05

記者会見する福島第1原発の高橋毅所長=28日午後、福島県楢葉町
記者会見する福島第1原発の高橋毅所長=28日午後、福島県楢葉町
記者会見する福島第1原発の高橋毅所長=28日午後、福島県楢葉町


各紙の報道によると、東京電力福島第1原発の高橋毅所長は28日、楢葉町の東電福島復興本社で、就任後初めて記者会見した。その中で高橋所長は、原発建屋内の汚染処理水処理のため、建屋周辺を流れる地下水を上流でくみ上げ、海に放出する地下水バイパス設備を、住民の理解が得られることを条件に4月にも稼働する予定だとの見通しを明らかにした。
 設備は原発建屋内の汚染水処理円滑化のため、建設を進めている。建屋上流部に12本の井戸を掘り、多い時で毎日400トンの流入があるとされる地下水をくみ上げる。くみ上げた水は、いったん貯蔵し、放射性物質検査を行った後で海洋に放出する計画。東電は原発建屋に流れ込む地下水によって汚染処理水が増加、対応に苦慮している。高橋所長は、今回の設備稼働で「(地下水流入を)現在の数割から半分ほど減らせる」と述べた。さらに汲み上げた地下水の海洋放出についても「外部への影響を最小限に抑えながら着実に進めたい」と話した。

 
 また、トリチウムを除く62種類の放射性物質を除去できる多核種除去装置(ALPS)がほぼ完成、稼働に向け貯水タンクの増設を計画しているとも説明、装置を使って処理した汚染水については「関係省庁、地域住民の理解がなければ海洋放出はない」と述べた。同時に、「敷地内は危険が多く放射線量が高い。廃炉は長く厳しい道だが、やり遂げなければならない責務だ」と述べた。

  高橋所長は、1~3号機で燃料から出る崩壊熱が運転時の1万分の1になり、大気中への放射性物質の放出も事故当初の8千万分の1になったとも語った。