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日本原電の敦賀原発2号機 廃炉にしても残る核燃料リスク 原子炉内プールに使用済み燃料1600体(東京)

2013-05-25 12:08:46

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fukushima2013052599070106原子力規制委員会が、日本原子力発電(原電)の敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の直下に活断層があると認定したことで、今後、問題になりそうなのが使用済み核燃料だ。現在、原子炉に核燃料は入っていないが、原子炉建屋に併設されているプールには、一部に熱い核燃料が残る。浜田康男原電社長は二十四日の記者会見で安全性を強調したが、規制委は対応に苦慮している。 (大村歩)

活断層の認定をした二十二日の規制委定例会合で、更田(ふけた)豊志委員は2号機に残るリスク(危険性)について、(1)プールが壊れて水が抜け、核燃料の冷却ができなくなる(2)核燃料が損傷し、放射性物質が外部に出る-の二点を指摘した。

2号機は二〇一一年五月に停止し、炉内の核燃料百九十三体はすべてプールに移されている。その意味では、原子炉自体には炉心溶融などの危険性はなくなった。

やっかいなのは、プールで貯蔵されている約千六百体の使用済み核燃料だ。その多くは既に十分冷えており、理屈の上では安全な場所に移すことは可能。ただ、1号機のプールは核燃料の形式が異なるため使えず、原電が東京電力と合同で青森県むつ市に建設中の中間貯蔵施設(空冷式)は、まだ完成していない。

さらに問題なのが、一一年まで使われた百九十三体。使用済み核燃料は、熱い上に強い放射線を放つため、通常三~五年間はプールに入れ、水で放射線を遮蔽(しゃへい)しながら冷やす必要がある。

熱い核燃料であっても、専用の容器を使えば移送はできるというが、空冷式の施設はもっと冷えた状態でないと使えない。行き場はないのが現実だ。

規制委は、ひとまず2号機のプールが壊れた場合の影響を評価するよう原電に求める方針だ。

使用済み核燃料プールの危険性は、東京電力福島第一原発事故で実証済み。福島事故では、プールは壊れなかったが、冷却装置が止まり、自衛隊ヘリや高圧放水車、コンクリート圧送車を総動員し、かろうじて危機を脱している。

敦賀2号機の直下に活断層があると判断された以上、移せる核燃料だけでも安全な場所に移すなど、打てる手は打つことが必要だ。

◆原電「取り出さない」

日本原電の浜田康男社長は二十四日の決算発表会見で、敦賀原発2号機内のプールで保管中の使用済み核燃料に関し、「プールの安全性は確認しているので、心配はない。核燃料を取り出す考えはない」と述べた。

原子力規制委員会から近くプールが損傷した場合の影響評価を求められることについては、「具体的にどういう指示が出るかを踏まえ検討する」と述べるにとどまった。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052590070106.html