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東電福島事故で海洋流出のセシウム 2000㌔離れた太平洋深海に蓄積 太平洋全体を長期汚染していく可能性(FGW)
2013-06-06 13:27:23
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は5日、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムが、事故の1カ月後には日本から約2千キロ離れた北太平洋の水深約4800メートルの深海にまで到達していたと発表した。
同調査は同機構の地球環境変動領域の本多牧生氏らがまとめた。本多チームリーダーは「沈降物に付いて深海に沈んだセシウムの量は、海の表層にあったセシウムの1%以下で、ほとんどは海水に溶けていると考えられる」としている。
チームは、海洋を沈降するプランクトンの死骸などを調べるため、事故前から、第1原発の北東約2千キロと南東約千キロの2地点に装置を設置し、定期的に計測していた。料観測地点において、水深500mおよび4,810mについて放射性セシウムを測定したところ、いずれからのマリンスノーからセシウムを検出した。
セシウムの濃度は、平均で1グラム当たり約0.2ベクレルと低かったが、この濃度は2011年4月にそれぞれの定点の表層付近で別途観測された海水や動物プランクトンの濃度に比べて数十倍から数千倍と高い。ただ、水深500m以深に沈降してきた粒子状の放射性セシウムは放射性セシウム-137で1平方メートル当たり0.5~2ベクレルにとどまっていた。
このため、同機構は、ほとんどのセシウムは海水に溶存しているとしているが、地域によって凝縮箇所があるかどうか、拡散したセシウムが魚類等の水産物にどう影響したかなどの把握が、今後の検証課題となる。機構では今後、西部北太平洋の様々な場所で、海洋試料中の放射性セシウムを測定作業を継続し、セシウムの移動・拡散状況、海水による希釈速度、海底堆積物への堆積・再懸濁状況などを解明していくとしている。
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20130605/