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松尾九電相談役 九電の各施設への寄付金滞留問題 「再稼働すれば何てことない」発言で 佐賀県議会「九電の体質変わらぬ」と不快感(毎日)

2013-06-23 17:03:49

松尾新吾宮殿相談役
松尾新吾宮殿相談役
松尾新吾宮殿相談役


九州電力の松尾新吾相談役が、佐賀県内の施設への九電の寄付金が滞っていることに「原発が再稼働すれば何てことない」と発言した問題は、松尾氏が佐賀県側に謝罪、発言を撤回したことで、九電は幕引きしたい考えだ。しかし、一昨年の「やらせ」問題を引きずる九電に対し、同県議会には「体質が変わっていない」との不信が根強い。当初、松尾氏を擁護した古川康知事にも疑念がくすぶり、原発の再稼働問題に影響を残しそうだ。【蒔田備憲、田中韻】

 松尾氏の発言は、九電が佐賀県鳥栖市の「九州国際重粒子線がん治療センター」に寄付する予定の約40億円が滞っていることについて述べた。九電は経営難から玄海原発(佐賀県玄海町)の早期再稼働を目指しており、佐賀県議会から「再稼働を迫る脅しのような発言だ」と反発の声が上がり、抗議決議を全会一致で可決した。松尾氏本人が来県して謝罪したが、不信はなおくすぶる。

 背景には、一昨年に発覚した九電の「やらせ」問題がある。2005年にあった玄海原発へのプルサーマル発電導入を巡る公開討論会や、11年の再稼働に関する県民説明番組などで、九電は社員らによる動員、仕込み質問、やらせメールなどを行った。原発推進のためならなりふり構わない体質が批判され、今も県議会でやらせ問題の審議が続いている。

 松尾発言について、県議会の最大会派、自民県議団の留守(るす)茂幸会長は「九電のガバナンス(統治)はどうなっているのか。玄海原発の再稼働を議論する環境ではない」。民主・社民党系の県民ネットワークの徳光清孝県議も「そういう発言を平気でして、何とも思わない体質が一番の問題」と憤る。

 批判の矛先は古川知事にも向く。知事は松尾発言が飛び出した式典に同席。当初は「再稼働へのプレッシャーをかけるものとは受け止めなかった」と松尾氏を擁護した。だがその後、県議会が抗議決議を可決すると、「今後、発言には注意していただきたい」と苦言を呈し、松尾氏の謝罪後は「あの発言には問題があった」と態度を変えていった。

 

http://mainichi.jp/select/news/20130623mog00m040012000c.html