HOME |世界で初めて、竹を燃料にするバイオマス発電実用化へ 徳島・阿南市の藤崎電機、ドイツの老舗バイオマス企業と共同開発。全国展開も(RIEF) |

世界で初めて、竹を燃料にするバイオマス発電実用化へ 徳島・阿南市の藤崎電機、ドイツの老舗バイオマス企業と共同開発。全国展開も(RIEF)

2015-07-27 23:51:17

take29b122fe75865b8564a23bce912917ed

 太陽光発電などを手掛ける藤崎電機(徳島県阿南市)は、ドイツのランビォンエナジーソリューションズ社(ドイツ : バート・アーロルゼン)と共同で、世界で初めて竹を燃料とするバイオマス発電所を開発した。第一号発電所を山口県山陽小野田市に建設する。

 

 バイオマス発電は太陽光、風力などと違って、気象条件に左右されず安定的に発電できる。ただ、燃料源となる植物源を安定的に確保することが課題でもある。竹の場合、日本の山野に多数あり、山野が荒れる原因にもなっており、供給力は膨大にある。

 

 ただ、竹を燃料に使う場合、含まれるカリウムが溶け出してボイラーが傷む原因になるなどの問題があった。日本のボイラーメーカーではこの点を十分には克服できないことから、バイオマス発電では一日の長のあるドイツのメーカーを調査、同事業で120年以上の歴史を持ち、世界90カ国以上で事業を展開している ランビォン社との共同開発にこぎつけた。

 

 第一号の竹専焼バイオマス発電所として、小野田市の小野田・楠企業団地に「山陽小野田バンブーバイオマス発電所」を来年1月に建設に着工、2017 年1月の稼働の予定。

 

 小野田市のある山口県では、竹林の面積が全国で4番目に広く、竹の繁茂によってスギやヒノキの成長が阻まれるなど、森林環境を悪化させる要因になってきた。そこで、これまでも森林組合が中心になって竹の伐採を進めたり、竹をチップ化してバイオマス燃料化する作業に取り組んできた。

fujisakidenkiキャプチャ

 発電能力は約2MWで、年間の発電量は1580万kWhを見込む。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算すると約4400世帯分に相当する。投資額は23億7000万円。発電量は全量、固定価格買い取り制度(FIT)で中国電力に売電し、年間約6億3000万円の収入を得る見通し。風力などと異なり、発電に伴う周波数変調などの接続問題を起こさないため、安定的に収入を確保できる。

 

 竹をバイオマス発電の燃料に転用できることは、全国で問題となっている放置竹林対策にもなる。竹林を燃料として伐採すること自体が、山野の環境保全対策となるため、同社では今後、全国で竹専焼発電所の展開を進める方針だ。

 

 小野田市での第一号発電所の建設に続いて、 2カ所目のバンブーバイオマス発電所は、藤崎電機の本社がある阿南市に建設する予定。その後も各地に開設し、国内で10万~20万kWト、海外で20万kWの事業展開を目指すとしている。

 

 藤崎電機では、「カーボンニュートラルエネルギーとして脚光を浴びているバイオマス発電所を建設することで地球温暖化対策になるほか、日本各地で問題になっている『繁茂竹林』問題を解決する一手になる。また新規事業を展開することで地方での雇用創出も期待できる」と意義を強調している。

 

http://www.fujisakikk.co.jp/app/wp-content/uploads/2015/07/65fda4f708acd05244b5a7bc058fcdfe.pdf