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ダイエーも魚介類の産地表示を強化! しかし政府が定め各スーパーが従がう産地表示には大きな穴が...(Greenpeace)

2011-12-15 15:45:45

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西友VSダイエー :  11月24日にグリーンピースが「お魚スーパーマーケットランキング」を発表した翌日、ランキングで最下位だった西友は12月下旬からの対応強化を約束しましたが、その競合であるダイエーは同日、魚介類の産地表示の強化を店頭で実際に開始しました。

ダイエーが現在対象としている魚介類は、東日本太平洋沖で漁獲された、さんま、秋鮭、するめいか、さば、あじ、いわしの6種で、グリーンピースの働きかけに応えた水産庁が10月5日に発表した通知に従い、全ての直営店にて、漁獲海域(水揚げ港のある県名や広い海域名ではなく)の表示を実施しているとのことです。

魚介類商品の独自の放射能検査や調査結果の公開などについては、ダイエーは電話で、「社内で検討は続けてはいるものの、現段階ではまだ何も約束できない」と回答。消費者の安全を確保するにはまだまだで、ダイエーはその取り組みを一層強化していく必要があります。ただ、魚介類商品が実際にどこで漁獲されたかが店頭で情報公開されることは、消費者にとっては選択購入を可能にする、大きな一歩です。

政府が定める産地表示に落とし穴 ―兵庫県産アンコウから放射性セシウム検出― 

しかし、政府が定め各スーパーが従うこの産地表示には、消費者を欺く大きな穴があります。

グリーンピースはこれまで「お魚スーパーマーケット抜き打ち調査(第1回)(第2回)」を続けてきましたが、今回結果発表した「第3回調査 関西・東海編」で、東日本太平洋沖ではない「兵庫県産」と産地表示されたアンコウから、1キログラム当たり16.2ベクレルのセシウム(134,137)が検出されました

JAS法では水揚げ港を産地として記載することを許しており、10月5日の水産庁の通知にも罰則がないため、このアンコウが実際に兵庫県沖で漁獲されたものなのか、他の海域で漁獲され兵庫県の漁港に水揚げされたものなのか、消費者は表示(ラベル)から判断することができません。もし実際に兵庫県沖で獲られていたとしても、その海域が瀬戸内海側なのか日本海側なのかも、分かりません。これでは消費者は混乱してしまいますし、関西で漁業をされている方にとっても大迷惑です。

加工品の表示は一層甘い ―缶詰からも汚染物質が確認―


「お魚スーパーマーケット第3回抜き打ち調査(関西・東海編)」と並行してグリーンピースが調査した魚介類加工品からも、「さば水煮(国産)」から7Bq/kgのセシウム137が検出されました。加工商品は鮮魚と比較して表示義務が一層甘いため、缶詰に書かれてある情報からは、原料が何サバなのかも、いつどの海域で獲られた魚なのかも購入時に把握できません。消費者にとっては、選択購入するための基準となる情報がほとんどない状態です。

私たちにできること ―「消費者の声」を届けよう―


政府自身によるこの曖昧な対応こそが、“風評被害”拡大の最大の原因となっています。消費者の内部被ばくによるリスクを軽減するだけでなく、日本の漁業と魚食文化を守るためにも、実際の漁獲海域の表示を義務化することが急がれます。さらに、もしグリーンピースが今回調査したアンコウが兵庫県沖で実際に漁獲されたものであれば、兵庫県沖の海底が放射能汚染されている可能性があり、政府は緊急に海洋調査の対象範囲を拡大する必要があります。

グリーンピースは政府への働きかけを続けていますが、震災から9か月が過ぎた今も、なかなか動いてくれません。政府がこのような状態のいま、消費者の頼みの綱は、魚介類の一大流通経路の最も消費者に近い場所に位置するスーパーです。

そのスーパー、例えば西友は多くの消費者からの声に応える形で、12月下旬から魚介類の産地表示の強化を行うことをグリーンピースに約束しており、「東日本太平洋沖の漁獲海域名については基本的には水産庁の通知に従う形だが、それ以外の海域においても、漁獲海域を記せるよう努力していく」と仰っています。

みなさん、ぜひご自宅、職場、お子様方の幼稚園や学校の近くにあるスーパーに、「お客様の声」を届け、全ての魚介類商品において、水揚げ港を産地として表示することを禁止し、実際の漁獲海域の表示を徹底するよう、働きかけましょう。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/38408/