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「吉田調書」 福島原発事故時の「官邸からの海水注入中断要請」で証言 菅前首相の安部首相への名誉毀損訴訟に影響も(各紙)

2014-05-27 16:46:24

緊急災害対策本部に臨む菅直人首相(左から3人目)=2011年3月16日午後4時9分、首相官邸
緊急災害対策本部に臨む菅直人首相(左から3人目)=2011年3月16日午後4時9分、首相官邸
緊急災害対策本部に臨む菅直人首相(左から3人目)=2011年3月16日午後4時9分、首相官邸


朝日新聞が報道している「吉田調書」によると、東電福島第一原発の事故時に、原子炉への冷却水注入をめぐって「菅直人前首相が海水注入の中断指示をした」との情報が流れ、安部首相も「菅批判」の根拠とした件で、故吉田昌郎東電福島第一原発所長は「中断指示は菅首相ではない」と証言していたことがわかった。菅氏は昨年、この件で安部首相を名誉毀損で訴えており、訴訟にも影響しそうだ。

 

朝日新聞の報道によると、事故を起こした原子炉を鎮静化するための冷却水注入について、「まず優先的に真水」と野判断を強いられた理由について、吉田氏は官邸からの指示があ利、それが一番影響したことを認めた。http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2657.html

 

吉田「、私は海水もやむを得ずというのが腹にずっとありますから、最初から海水だろうと、当初言っていたと思います。その後に官邸から電話があって、何とかしろという話があったんで、頑張れるだけ水を手配しながらやりましょうと」

 

吉田氏がいう「官邸からの電話」は、朝日の記事によると、 東電原子力・品質安全部長の川俣晋からの電話の部分だ。その後、電話の相手が、川俣から誰かに代わったというが、それが誰かは、吉田氏は覚えていないという。

 

「官邸からの電話」の趣旨は、海水を使う判断は早過ぎる。廃炉につながるから極力、ろ過水なり真水を使うことを考えてくれ、というものだった。

調書によると、吉田は「電話の主」について、いったんは、東電フェローの武黒一郎、原子力安全・保安院付の安井正也の名前を挙げた。しかし、記憶が完全に欠落していると主張して、逆にこの二人ではないことを強くにおわせた。

 

一方、原子力安全委員会委員長の班目春樹、内閣官房長官の枝野幸男、そして首相の菅直人は、違うとはっきり説明した、という。

 

淡水の調達に手間取っている間に、3号機の炉の圧力が上昇し、52分間もの間、3号機にはまったく水が注ぎ込まれない状態が起きた。官邸の要請は、「炉を防ぎたい」というものだったが、それを受け入れた結果、吉田氏は危機を拡大させてしまったことになる。

http://digital.asahi.com/special/yoshida_report/2-1m.html

 

この問題について、その後、「電話の主」は当時の菅首相だとの指摘がネット等で広がった。また安部首相は、2011年5月20日付けの自身のメールマガジンで「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」との見出しの記事を掲載した。

 

「福島第一原発問題で菅首相の唯一の英断と言われている「3月12日の海水注入の指示」が、実は全くのでっち上げである事が明らかになりました」「やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです」と書いた。

 

これに対して、菅前首相は昨年7月、 東京地検に阿部首相を名誉毀損で訴えている。http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-11574298649.html