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中部電力 浜岡原発の使用済燃料保管用の「乾式貯蔵施設」 2018年度新設稼働へ(静岡新聞)

2014-07-31 22:32:09

hamaoka1124306969_tmp_pic_20140731140932
hamaoka1124306969_tmp_pic_20140731140932浜岡原発(御前崎市佐倉)の使用済み核燃料を暫定的に保管する乾式貯蔵施設について、中部電力は当初計画で2016年度を予定していた稼働時期を先送りし、18年度の稼働を目指す方針を固めた。

青森県六ケ所村の再処理工場に搬出するまでの間、金属製の専用容器(キャスク)に収納し空気の自然対流で冷却する。ただ再処理工場の稼働時期は未定で、貯蔵期間が数十年に及ぶ可能性もある。

 

乾式貯蔵施設の設置は08年12月、中電が浜岡1、2号機を廃止して6号機を新設する「リプレース計画」に合わせて発表した。使用済み核燃料はこれまで燃料プールで保管していたが、貯蔵可能量の余裕が乏しく、地震・津波の発生時に水や電力での冷却を必要としない乾式貯蔵の方が安全とされることから導入の方針を決めた。

 

建設予定地は4号機北側。中電は地震に対して地盤に十分な強さがあるかを検証するため、09年4月から地質調査を行った。しかし11年3月の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故、当時の菅直人首相の要請を受けた同年5月の浜岡全炉停止、従来より厳しい地震・津波対策を求めた原子力規制委員会による新規制基準の策定など、情勢の変化を受け、中電は当初計画通りの稼働は難しいとの見方を示していた。

 

一方、川勝平太静岡県知事は浜岡原発で使用済み燃料を保管しきれなくなる事態を懸念し13年10月、再稼働の条件の一つに乾式貯蔵施設の設置を挙げていた。hamaoka1124306969_tmp_pic_extend1_20140731140932

 

こうした中、中電は今年6月18日、御前崎市議会の原子力対策特別委員会で、乾式貯蔵施設の基準地震動(耐震設計の目安になる地震の揺れ)について、新規制基準を踏まえて1200ガルに設定する方針を伝えている。また、使用済み核燃料の貯蔵可能量を燃料集合体約4千体(金属ウラン量で約700トン)としていた当初方針についても、施設の耐震性を高めるため約2千体に減らす方向で再検討しているとみられる。



◇詳細説明待つ周辺市・県

中部電力が浜岡原発(御前崎市佐倉)の使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設について、2018年度の稼働を目指す方針を固めたことに対し、同原発の周辺4市と静岡県はほぼ一様に、31日午後にも行われる中電からの詳細な説明を待つ考えを示した。

 

市議会が中電に設置計画を早急に進めるよう求める要請書を提出していた御前崎市の原子力政策室の担当者は「新規制基準に合わせた設計について説明があると思われる」と予想し、掛川市の担当者は「内容についての具体的な予告がない」と述べるにとどめた。太田順一菊川市長も「直接聞いていないので内容は分からない。今後、中電からしっかり説明してもらいたい」とコメントした。

 

一方、牧之原市の西原茂樹市長は「耐震設計の目安となる地震動を厳しく見直し、より安全な乾式貯蔵施設の計画としたことを評価する」と歓迎した。

 

静岡県の岩田孝仁危機管理監は「説明を受けていないので何とも言えない。内容を確認したい」と述べた。

◇乾式貯蔵施設
 
使用済み燃料を金属製の専用容器(キャスク)に入れて一時的に保管する施設。東日本大震災に際し、東京電力福島第1原発では津波で1階天井付近まで浸水し、キャスクも水没したが、表面に汚れや擦り傷がある程度で異常な発熱は確認されていない。

http://www.at-s.com/news/detail/1124306969.html