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原発高レベル廃棄物最終処分の経産省作業部会 東電社外取締役の増田元総務相に委員長続投を要請(各紙)増田氏、利益相反の疑念も

2014-10-02 23:52:31

増田寛也元総務相
増田寛也元総務相
増田寛也元総務相


各紙の報道によると、経済産業省は、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物を最終処分する制度を議論する作業部会を今月中に再開する。部会委員長には東京電力の社外取締役に就任した増田寛也元総務相を引き続き充てることが問題化している。

同作業部会は、最終処分する廃棄物の輸送など、処分地選定に必要な条件を検討し、中間まとめを事実上終えた4月に活動をいったん休止していた。増田氏はそれまで委員長を務めていたが、休止期間中の6月に、東京電力の社外取締役に就任した。

 

廃棄物最終処分の最大の焦点は、東電福島第一原発事故で大量に放出された廃棄物をどう取り扱うかになることから、増田氏は廃棄物を出す東電側と、ルール作りを担う立場と「兼務」することになる。廃棄物処理の費用負担をめぐって増田氏は利益相反に陥りかねない。

 

経産省は部会審議の継続性を重視する形で、大半の委員は続投する。ただ、西川一誠福井県知事は外れる。増田氏も、経産省も、作業部会の審議を東電や電力会社に有利なように恣意的に歪めるつもりはない、との姿勢だと思うが、そうならば、続投にこだわらず、中利的な人選をするべきだろう。増田氏自身、原子力の専門家でもなく、いわば「まとめ役」としての委員長であると思われるので、「東電の代弁者」と呼ばれたくなければ、自ら続投を遠慮するべきではないか。

 

それとも、ぜひ、増田氏でなければならない理由があるならば、ご本人、あるいは経産省が、説明する必要がある。こうした点をあいまいにしたまま、不自然な人選をゴリ押しすることは、原子力政策全体への不信感を高めこそすれ、信頼を増すことにならない。