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政府 東電福島第一原発事故の「政府事故調」記録56人分 追加公開。事故時に逃げ出した保安検査官らの証言も(東京)

2014-11-13 13:29:48

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fukushima9eb0ace7cb87e6c28f0928b2a588efde-300x22612政府は十二日、東京電力福島第一原発事故で、政府事故調査・検証委員会が政治家や東電関係者ら五十六人と一団体に聴取した記録(調書)を新たに公開した。

故吉田昌郎(まさお)元福島第一所長ら十九人に続き、二回目の公開。調書からは、政府や東電のちぐはぐな事故対応があらためて浮かんだ。


旧経済産業省原子力安全・保安院の現地事務所副所長(匿名)の調書によると、事故翌日に福島第一から逃げ出した保安検査官四人は「放射線量が上昇し、身の危険を感じた」と逃げた理由を述べた。四人は福島第一に戻されたが、この際、一人は「現地に行ってもどうにもならない。なぜ行かなければならないのか」と拒んだ。所長が説得し原発内に戻したという。




 

だが、福島第一に戻っても、積極的に情報を集めようとしなかったと、政府事故調の報告書でも批判されている。四人は戻った翌日、無断で再び撤退した。




全国漁業協同組合連合会(全漁連)漁政部部長の大森敏弘氏の調書では、汚染水の意図的な海洋放出をめぐる東電の不誠実な対応ぶりが分かる。二〇一一年四月二日に、2号機取水口近くから高濃度汚染水が漏れていたのが発覚。二日後、広瀬直己(なおみ)常務(現社長)は「二度と流出させない」と全漁連に謝罪に行ったが、わずか二時間後、「先ほど説明しなかったが、急きょ、汚染水を海洋放出することになった。これは決定事項だ」と電話で通告。大森氏は「だまし討ち以外の何物でもない」と怒った。




保安院の古作(こさく)泰雄氏は調書で、事故から一週間後に国際的な事故評価尺度をレベル3から5に引き上げた理由を「報道で評価が低すぎると声が高まったことがトリガー(引き金)だった」と述べた。すでに福島第一では炉心溶融し、三基が水素爆発を起こしていたが、保安院は適切に実態を評価できていなかった。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014111302000128.html