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政府の原発政策 電力会社の収益保証・国民負担継続へ「原発優遇・被害者冷遇」の対応加速(東京)

2014-11-14 12:51:03

原発優遇、被害者冷遇・・
原発優遇、被害者冷遇・・
原発優遇、被害者冷遇・・


経済産業省は十三日、原子力政策について話し合う有識者会議「原子力小委員会」で、今後の議論の方向性を示す「中間整理」の素案を提示した。原発を持つ電力会社の収益を保証したり、廃炉にする場合の損失計上についての優遇策などを盛り込んだ。

事故が起きた場合の国と電力会社の責任をあいまいにしたまま国民負担につながる議論が着々と進んでおり、委員からは反対の意見も上がった。 (吉田通夫)

 


 委員会は年内に「中間整理」をまとめ、年明けから優遇策の制度設計を議論する。

 




 素案は原発事業者の「損益を平準化する」措置を導入すると明記、参考に英国の制度を挙げた。国と電力事業者が原発の設置、運営などの費用を基に電気の基準価格を決定。想定より高い利益が生じた場合は国に納めるが、損失が生じると電気料金に上乗せして回収、収益を保証する仕組み。二〇一八~二〇年をめどに始まる電力料金の完全自由化後も電力会社が利益を確保しやすくする狙いだ。

 




 また、現在の原発は、古くても廃炉費用を積み立て終わっていないケースが多く、廃炉を決めた場合に電力会社に巨額の損失や費用負担が生じる。このため廃炉費用を一定期間かけて損失計上できる会計の優遇措置などを検討する。

 




 実現のめどが立たずに国民負担が増え続けている核燃料サイクル(再利用)計画や、高速増殖原型炉「もんじゅ」の実用化を目指す方針も盛り込んだ。委員で原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「(電気)利用者の負担が増えないようにすべきだ」と求めた。

 




 一方、事故が起きた場合の国と電力会社の賠償責任については国会が約束した原子力損害賠償法の見直し期限を二年以上過ぎているものの、素案では「ほかの省庁が所管する事項」とするにとどめた。

 




 委員を務める吉岡斉(ひとし)九州大教授は「事故前の原子力政策と九割変わっていない」と批判した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014111402000126.html