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栃木県で保管中の放射性物質「指定廃棄物」 当初説明上回る最大濃度35万ベクレル(東京)

2015-07-09 15:25:14

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 東京電力福島第一原発事故で発生した放射性物質を含む「指定廃棄物」をめぐり、環境省は8日、栃木県内で保管されている指定廃棄物の放射性物質濃度を初めて公表し、1㎏当たり最大35万ベクレルに上ることを明らかにした。国はこれまで「県内の廃棄物は8000-10万ベクレル程度」としており、県内の処分場候補となった塩谷町は反発を強めている。

放射性物質が8000ベクレルを超えると指定廃棄物とされ、県内では現在、約170か所で計約1万3500㌧を分散保管している。国は風評被害につながるとして、詳しい保管場所や放射性物質濃度を公表してこなかったが、県や塩谷町の要請を受け、公表した。

公表された資料では県北部の25か所で10万ベクレルを超えていた。最大35万ベクレルの廃棄物が保管されているのは、このうちの一か所という。いずれも牧草や稲わらなどが中心で、大半が農家の敷地などに保管されている。

指定廃棄物は、廃棄物がある農家などから委任された市町が国に申請し、指定を受ける。20万ー30万ベクレル台の廃棄物は、昨年秋以降に指定されたという。

塩谷町の担当者は「国の当初の説明が根幹から覆った。住民の不信感が高まるのは必至だ」としている。環境省は引き続き、町に処分場計画への理解を求める方針。