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日本原子力研究機構、茨城・東海村の800億円強を投じた「15年間休眠」の再処理施設 新たに100億円投入へ。再休眠の可能性も(東京)

2015-09-02 10:45:56

gennnennキャプチャ

国立研究開発法人の日本原子力研究開発機構が、八百億円以上をかけて建設しながら、十五年前に工事を中止したままになっている高速増殖炉研究の関連施設(茨城県東海村)について、本来とは別目的の施設に改造するためさらに百億円を投じる計画であることが分かった。

 費用のほとんどは税金。これまでにも高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)など巨費を投じながら目立った効果を生まない原子力機構の研究には厳しい目が向けられているが、今回の改造計画も休眠施設の存続が目的とみられる。

 原子力機構によると、この施設は「リサイクル機器試験施設(RETF)」で、もんじゅなどの使用済み核燃料の再処理を研究するのが本来の目的だった。改造後は、東海村に保管中の高レベル放射性廃棄物を最終処分場に運ぶための容器に入れる施設となる。

 RETFは一九九五年に着工したが、もんじゅのナトリウム漏れ事故などの影響で、二〇〇〇年に建設が中断。建物はほぼ完成したものの、主要機器は未設置のままで、年間約二千七百万円の維持費がかかっている。

 一一年には会計検査院が「多額の費用が投じられたのに施設を使わないのは不適切だ」と改善を求めていた。原子力機構は改造費用の根拠を「これまでの他施設などでの経験から算出した」としている。

ただし現在の国の計画では、高レベル廃棄物最終処分場の操業開始は早くても三〇年代以降になる見込みで、現状では候補地すら決まっていない。RETFを改造しても搬出先の最終処分場がなければ再び休眠施設となる可能性がある。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015090202000133.html