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東電福島第一原発 保管していた汚染地下水、浄化後、海に初放出838㌧分。トリチウムは基準以下だが (各紙)

2015-09-15 16:41:59

サブドレン他水処理施設 免震重要棟における操作状況

 各紙の報道によると、東京電力は14日、福島第一原発建屋周辺の井戸(サブドレン)からくみ上げた放射能汚染地下水838㌧を浄化後、隣接する港湾内に放出した。浄化後の汚染地下水の意図的な海洋放出は初めて。

 

 この日放出された汚染地下水は、昨年8-11月に試験的にくみ上げ、地上タンク4基で保管されている約4000㌧のうちの一基分。午前10時過ぎに、担当者が排水スイッチを入れ、港湾内につながる約1.5kmの配管を経由して流した。作業は午後3時45分ごろに終わった。放出作業には経済産業省資源エネルギー庁職員が立ち会った。

 

 
 放出した地下水は放射性セシウムや、ベータ線を出す放射性物質の濃度が検出限界値未満であることを東電が確認した。浄化装置で取り除けないトリチウムは、第三者機関の分析で放出基準値(1㍑当たり1500ベクレル)を下回り、地元の報道によると、最大で600ベクレルだった。

 

 15日も、もう一基分を放出する。政府、東電は、第一原発では高濃度汚染水がたまった1-4号機建屋に1日約300㌧の地下水が流入し、汚染水が増え続けているが、今回始めた浄化後の放出によって、既存の貯蔵分を含めて、放出量が流入量を3倍ほど上回ることから、汚染水処理が進むと期待している。

 

 一方で、原発敷地内のK排水路では、豪雨のたびに、基準超過の汚染水が溢れ、海洋に流出していることから、福島周辺の海での漁業への影響が懸念されている。今回の地下水放出は基準内としても、汚染水漏れを含めて、東電の原発管理への疑念は消えておらず、首都圏等の消費者が水産物を敬遠する懸念は消えていない。

 

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/drain_stank_15091401-j.pdf