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SOMPOホールディングス、タイでサトウキビ農家向けに「天候インデックス保険」を販売。稲作、ローガンの農家向けに次ぐ第3弾。気候変動で高まる干ばつリスクをカバー(RIEF)

2021-06-28 20:07:49

Thaisompoキャプチャ

 

 SOMPOホールディングスは、タイでサトウキビ農家向けの「天候インデックス保険」を開発、提供を開始した。SOMPOはこれまでも、タイの稲作農家や、フルーツのロンガン栽培農家向けに、干ばつリスクをカバーする同保険を提供している。こうした経験を踏まえて、サトウキビ農家向けの保険商品を開発した。気候変動で干ばつ等の自然災害リスクが高まることを踏まえて、農家の収入の安定化に貢献することを目指す。

 

 新保険の開発は、SOMPOの子会社である「Sompo Insurance Thailand Pcl(SOMPOタイ)が、商社の丸紅、現地の「Productivity Plus Co.,Ltd」と共同開発した。同国の保険当局から保険認可を取得し、Productivity Plusが提携するサトウキビ農家向けに販売を始めた。

 

 天候デリバティブ保険は、将来の損害と関係する一定の天候指標(気温や降水量など)を定め、それが事前に定めた条件を満たした場合に、定額の保険金を支払う保険。同保険の特徴として、実際に発生した損害額とは関係なく、天候指標ベースで保険金を支払うため、通常の保険金支払いで必要な損害調査等が不要になるので、迅速な支払いができるメリットがある。保険会社にとっては、詳細な天候データを踏まえて、保険金支払いを決める「トリガー」を合理的に設定することが重要となる。

 

 タイをはじめとする東南アジア地域では、温暖化の進行とともに気候変動の激化による自然災害の増大が社会課題となっている。同国は2019年には、深刻な干ばつによって多くの農作物が被害を受けた。SOMPOタイは、すでに2010年にタイの東北部の稲作農家向けに、2019年にはロンガン農家向け に「天候インデックス保険」を発売しており、今回、対象農家をサトウキビ農家にも拡大した。

 

 保険の提供エリアは、タイのチャイヤプーム県。同地のサトウキビ農家向けに、サトウキビの成長に必要な期間に干ばつによって生じる可能性のある少雨リスクをカバーする。衛星全球降水マップ(GSMaP)で計測した周辺地域の降水量データに基づき、トリガーは降水量で、あらかじめ設定した降水量を下回る場合に、保険金が加入農家に支払われる仕組みだ。

 

Sompo003キャプチャ

 

 保険契約者は共同開発のProductivity Plusとなる。保険契約者(被保険者)は対象地域のサトウキビ農業従事者のうち、Productivity Plus社から特定の肥料を購入した 提携農家。保険の引き受けは、SOMPOタイと他1社。SOMPOは海外事業会社のSOMPO International Holdings Ltd.(SIH)を軸としてグローバルに農業保険ビジネスのプラットフォーム「AgriSompo」を展開しており、今回の保険商品開発でも同プラットフォームの技術提供設けたとしている。

 

 SOMPOタイは、チャイヤプーム県での保険契約状況を踏まえて、今後、他の県にも展開することを検討するとしている。SOMPOはタイ以外のフィリピン、ミャンマー、インドネシア等でも、同保険の開発・適用に取り組んでいる。気候変動の影響を受け易いASEANの農業地域での気候適応策の一つとして、普及を進めていく考えだ。

 

https://www.sompo-hd.com/-/media/hd/files/news/2021/20210617_1.pdf?la=ja-JP