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日本生命、ESG投融資枠を2030年までに現行の約3倍の5兆円に拡大。うち脱炭素ファイナンスには3兆円。現行の目標はいずれも1年前倒しで達成(RIEF)

2023-03-07 12:29:40

nisseiキャプチャ

 

 日本生命保険は6日、現行のESG投融資枠(テーマ投融資枠1.7兆円、うち脱炭素ファイナンス枠5000億円)をともに期限を1年前倒しで達成したと発表した。これを受け、新たな2030年までの目標として、ESGテーマ投融資全体を約3倍増の5兆円に増やし、脱炭素ファイナンスも約6倍の3兆円に増やす。同社では投融資を通じて投融資先企業のESG取り組みを後押しし、社会への成果創出と、その計測・管理を強化していくとしている。

 

 同社は国連持続可能な開発目標(SDGs)への企業の取り組みを支援するため、ESGテーマ投融資について1.7兆円(2017~2030年度、そのうち脱炭素ファイナンス枠5000億円(2021~2023年度)の目標を設定している。それぞれについて昨年12月末の時点で、テーマ投融資枠全体が1.78兆円、炭素ファイナンス枠が約5200億円と、いずれも2023年度の実施を残して、目標を達成したとしている。

 

 この間、実施した主なESGテーマ投融資事例としては、昨年5月に九州電力が発行したトランジションボンドに26億円を投資したほか、同9月には三井不動産プライベートリード投資法人に対して、日生として初のグリーンローンを20億円融資した。10月には、マルハニチロが日本で初めて発行したブルーボンドに対して4億円を投資。国立大学法人東京大学が発行するソーシャルボンドに18億円を投資した。

 

 脱炭素ファイナンス枠は、再エネ関連、グリーンボンド、新技術開発、トランジションファイナンス等への資金供給を重点的に行うもの。投融資先をさらにフォーカスするため、脱炭素ファンドオブファンズ(約200億円)、脱炭素ベンチャー投資ファンド(約100億円)、再エネファンドオブファンズ(約300億円)を設定している。

 

 同社の資産ポートフォリオにおける温室効果ガス(GHG)排出量(financed emissions)削減の2030年度の中間目標(Scope1~2)としては、内外の上場株、同社債、不動産を対象として、総排出量を2010年比45%以上削減、投資一単位当たりの排出量(intensity)を20年比49%以上の削減を掲げている。

https://www.nissay.co.jp/news/2022/pdf/20230306b.pdf

https://www.nissay.co.jp/news/2021/20220317b.pdf