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伊藤忠、商社初の「SDGs債」発行へ。5億㌦。内外の環境・社会事業への資金に充当。石炭火力発電や鉱業等の化石燃料事業や大豆・パーム油事業等は除外(RIEF)

2021-03-25 10:56:55

Itochu001キャプチャ

 

 伊藤忠商事は24日、資金使途をSDGsに貢献する事業に集中する同社初のSDGs債を発行すると発表した。発行額は5億㌦(約545億円)。30日に発行の予定。資金使途をSDGsの目標達成につながる事業に限定する債券の発行は商社では初めて。

 

 (上図は、伊藤忠のSDGs債フレームワーク)

 

 同社のSDGs債は期間5年、ドル建て。SDGs債発行に際して、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)、ソーシャルボンド原則(SBP)、サステナビリティボンド・ガイドライン(SBG)を元にして、「SDGs債フレームワーク」を策定。第三者評価機関のVigeoEiris(V.E)よりセカンドオピニオンを取得している。

 

 資金使途先は、①温室効果ガス排出削減に向けた取り組み②傘下のファミリーマートにおける温室効果ガス削減に向けた取り組み③持続可能な食品システム④医療サービス・インフラサービスへのアクセスの提供ーーの4分野をあげている。

 

 このうち①は再生可能エネルギーの利用増加として、太陽光、風力発電等の開発・管理等のほか、自家発電型太陽光等の普及に資する蓄電池の調達や次世代型リチウムイオン電池製造開発等をあげている。②はファミリーマートの店舗屋上に太陽光発電設備を設置する事業に充当する。

 

 また除外規定として、①石炭を含む火力発電②鉱業(あらゆる形態の炭鉱を含む③大豆/パーム油のバリューチェーン、の3事業を明示している。

 

 伊藤忠商事は、2022年3月期を初年度とする中期経営計画でSDGsの取り組みの強化を盛り込む方針を立てており、今回のSDGs債での調達資金もそれらに充当する。以前は、石炭火力発電関連の事業や石炭燃料事業に力を入れていたが、「脱石炭」方針を打ち出し、24年3月期までに発電用石炭(一般炭)の権益から完全撤退する計画を掲げるほか、一般炭権益の約8割に相当する南米コロンビアの権益を22年3月期中に売却するとしている。

 

 同社は、「わが社の創業の精神である企業理念『三方よし』のもと、グローバルに事業を行っており、地球環境や社会課題への対応を経営方針の最重要事項のひとつとして捉え、企業行動指針である『ひとりの商人、無数の使命』を果たすべく、持続可能な社会の実現に取り組んできた。今後も本業を通じた生活基盤の維持・環境改善等「SDGs」の実現に貢献していく方針だ」とコメントしている。

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2021/210324.html

https://www.itochu.co.jp/ja/csr/pdf/sdgs_framework_jp.pdf

https://www.itochu.co.jp/ja/csr/pdf/sdgs_spo_jp.pdf