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G7で設立が決まったグローバルベースの「インパクトタスクフォース(ITF)」、100人近いメンバー決まる。コロナ禍からの回復に市場資金誘導目指す。前GPIF理事の水野弘道氏も参加(RIEF)

2021-08-18 00:52:38

G7001キャプチャ

 

 7月の英国での7カ国首脳会議(G7)で設立が合意されたインパクトタスクフォース(ITF)の参加者が決まった。ITFは新型コロナウイルス感染拡大からのサステナブルでインクルージブ(法セク的)な回復のソリューションを提案することを目指す。メンバーはG7各国の政府関係者、企業人、インパクト投資関係者ら合計約100人で構成される。

 

 全体の議長には、元英国会議員で市民社会担当大臣も務めたニック・ハード(Nick Hurd)氏が就任した。同氏は「T世界の現状は、政府と市場についての考え方の変化を求めている。民間資本も影響を受けずにいることはできなくなっている。ポジティブな社会あるいは環境インパクトを持つリターンを伴う投資に数兆㌦の資金を投じる必要がある」と、世界が直面する課題解決のため、インパクト投資をグローバルベースで展開する必要性を強調している。

 

 インパクト投資は、環境・社会分野へのポジティブな影響を意識した投資をいう。これらの投資は2019年時点で7000億㌦(約77兆円)に達している。しかし、コロナ禍からの世界の経済社会の回復をはじめ、より公正でより持続可能な経済を長期的に推進するためには、さらなる市場資金をこの分野に向かわせる必要がある。

 

 途上国だけで、コロナ禍の影響だけで、2030年の持続可能な開発目標(SDGs)の目標達成には年間で2兆5000億㌦の資金不足との試算がある。さらに、2020年には追加で1兆7000億㌦の不足が顕在化している。

 

 こうした資金不足を補い、市場資金を途上国やサステナビリティ分野に誘導するため、インパクト投資が主要な役割を期待されている。G7で合意されたITFは、そうした資金フローを引き起こすための多年間アジェンダを明確化することが期待されている。

 

 ITFhは二つのワーキンググループ(Working Group A – Impact Transparency, Integrity and Reporting)、(Working Group B: Instruments and Policies to Scale Impact Investment)を軸にし、評議委員会(Steering Committee)、アドバイザー、オブザーバー等で構成する。

 

 メンバーにはS&P Global’sのCEO、Douglas Peterson氏や、元米証券取引委員会(SEC)委員長のMary Shapiro氏、仏ダノンの前CEOのEmmanuel Faber氏、米BlackRock のマネジング・ディレクタのMichelle Edkins氏、SchrodersのCEO、Peter Harrison氏、日本からは年金積立金管理運用独立行政法人前理事の水野弘道氏らが参加する。

https://gsgii.org/2021/08/g7-impact-taskforce-announces-membership/

https://gsgii.org/2021/07/uk-creates-impact-taskforce-under-its-g7-presidency/