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三菱重工、9月1日に2度目のグリーンボンド発行。発行額150億円。資金使途先は再エネ事業と「グリーン水素」に絞った水素事業(RIEF)

2021-08-26 17:41:45

MHI001キャプチャ

 

 三菱重工は26日、同社として二度目となるグリーンボンドを9月1日に発行すると発表した。発行額は150億円。調達資金の使途先は、前回と同様の再生可能エネルギー事業に加えて、新たに水素エネルギー事業に充当するとしている。水素製造では天然ガス等の化石燃料から水素を製造する「ブルー水素事業」への取り組みも広がるが、同社はグリーンボンドの資金使途先は「グリーン水素事業」に限定することを明記した。

 

 (写真は、三菱重工が関与する水素開発プロジェクトの日本向け輸送船)

 

 同社は昨年11月に初めてグリーンボンド250億円を発行している。2年連続での国内公募形式でグリーンボンドの発行となる。初回のボンドの調達資金の使途先は、全額を再エネ事業(洋上風力発電設備関連の出資資金の一部のリファイナンス)に充当した。今回は再エネ事業に加え、クリーンエネルギー事業として水素発電設備/事業にも充当する。https://rief-jp.org/ct4/107888

 

 ボンドは期間5年、金利は0.9%。主幹事は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券、みずほ証券、大和証券、野村證券、BofA証券の6社。

 

 同社は、カーボンニュートラル社会の実現に向けたエナジートランジション(低環境負荷エネルギーへの転換)事業に取り組んでいる。その短期的な取り組みとして既存インフラの脱炭素化策として、2025年を目途に水素/アンモニアによるカーボンフリー発電を実証し、順次商品化を目指すとしている。中長期的な取り組みとしては、水素エコシステムの実現を掲げている。

 

 水素事業については、2025年度をめどに、製造から輸送・貯蔵、利用までのエコシステムを構築し、脱炭素技術を確立することを目指す。取り組む水素製造技術では、現状、ブルー水素、ターコイズ水素、グリーン水素等と多様な開発技術が併存するが、同社では今回の調達資金について「グリーン水素」投資等に限定して充当するとしている。

 

 Sustainalytics社がセカンドオピニオンを付与したグリーンボンドフレームワークでは、対象となるエネルギー事業の範囲について、①地熱発電はCO2/kWh当たりの直接排出量100g以下の設備②水素発電は100%再エネを用いたグリーン水素の製造③水素100%を燃料とする水素発電設備の製造・供給④水素100%を燃料とする発電所の運営⑤再エネ/クリーンエネルギー(風力、地熱、水素発電)事業者への出資は、当該事業専業または売上の 90%以上が適格クライテリアを満たす「ピュアプレイヤー」に限定ーー等を明記している。

 

 同社は「グリーンファイナンスやトランジションファイナンスは資金調達の手段だけではなく、社会・投資家との貴重な対話の機会と捉えている。これからも対話を継続しながら、エナジートランジション事業の拡大と、それに相応しい資金調達を通じて、企業価値の向上につなげていく」とコメントしている。

 

https://www.mhi.com/jp/news/21082603.html

https://www.mhi.com/jp/finance/stock/greenbond/pdf/gb_spo_2021.pdf