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日本取引所グループ、ロンドン証券取引所グループと協働し、日本企業対象の「ネットゼロ気候関連指数」開発。温室効果ガス、埋蔵化石燃料等を各30%削減。来年上半期に開始(RIEF)

2021-11-03 11:45:11

JPX0022キャプチャ

 

 日本取引所グループ(JPX) とロンドン証券取引所グループ(LSEG)は2日、気候変動対策に取り組む日本企業の株式を中心とした新株価指数を共同開発すると発表した。TOPIX500をベースに、温室効果ガスの排出量と化石燃料の埋蔵量のそれぞれを30%削減するよう構成銘柄の比重を調整する。2022年上半期に指数の算出を開始する。

 

 開発する気候関連指数は「FTSE/JPXネットゼロ インデックス シリーズ」。両証取は2018年7月にサステナビリティ関連分野及びESG関連の商品・サービスを中心としたマーケティング等での協力合意を結んでいる。指数の開発にはJPX、東京証券取引所、LSEGのFTSE Russellが協働する。


 10月にFTSE Russellが公表したアセット・オーナー対象の「2021サステナブル投資サーベイ」では、アジア・太平洋地域のアセットオーナーの3分の2超(68%)が、気候問題を優先事項として評価している。また過半数は、気候リスクについて「非常に心配している」と回答、投資判断に気候リスクを加味する意識が高まっていることを示している。

 

 今回開発する日本企業の気候関連指数を活用することで、投資家は温室効果ガス排出量を加味した投資資本の再配分が可能になる。指数はTOPIX500を親指数として、温室効果ガス排出量と化石燃料埋蔵量を30%削減するよう構成銘柄のウエイトを調整し、2050年ネットゼロへの展開を示す。

 

 加えて、企業のグリーン・レベニュー等も踏まえた多面的な評価を行い、グリーン経済へのエクスポージャーの大幅な上昇を達成するとしている。新指数シリーズは、EUの気候移行ベンチマーク(CTB)基準に準拠する。対炭素経済社会への移行を目指すTransition Pathway Initiative(TPI)の「マネジメント・クオリティ・スコア」も組み入れる。FTSEのESGデータに基づき1300社以上の日本企業についてスコアを算出する。


 JPXでは、新指数について、パッシブ運用の連動指標、アクティブ運用のベンチマーク、さらに投資調査等に活用されることが期待される、としている。JPXとLSEGは、国連の「持続可能な証券取引所イニシアティブ(Sustainable Stock Exchanges(SSE)initiative)」のパートナー取引所でもある。

 

 JPXは2024年度末までに自社で使用する全ての電力を再エネに切り替えるなど、グループ全体でのカーボン・ニュートラルの達成を目指している。10月には本社オフィスビル等の電力契約を切り替え、年間のCO2排出量を27%削減するとしている。

https://www.jpx.co.jp/news/1044/20211102-01.html