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住友商事、同社初のグリーンボンドを今月発行へ。100億円。資金使途は再エネ事業等に充当。2月の石炭火力発電事業からの撤退を反映、グリーン事業シフトを強調(RIEF)

2022-05-11 21:26:41

sumishouキャプチャ

 

 住友商事は11日、同社として初となるグリーンボンドを今月中に発行すると発表した。発行額は100億円。資金使途は、風力発電や太陽光発発電等の再生可能エネルギー事業等をあげている。同社は昨年、バングラデシュの石炭火力発電事業への関与で環境NGOから株主提案を受けたが、今年になって同事業への取り組み断念に踏み切った。今回のグリーンボンド発行は、資金調達、事業展開でもグリーン化に転換することをアピールする動きともいえる。

 

 同社は3月に公表したグリーン・ファイナンス・フレームワークで、資金使途について、再エネ事業、生物自然資源及び土地利用、 クリーン輸送、 エネルギー効率の4分野を掲げている。今回のグリーンボンドの資金使途もこれらの分野に充当する。再エネ事業は、風力、太陽光、地熱発電の3事業、生物多様性分野では、FSC認証を取得している森林事業等としている。

 

 ボンドは期間10年。主幹事とストラクチャリングエージェントは大和証券が務める。セカンドオピニオンはSustainalytics社がICMAのグリーンボンド原則(GBP)、ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)等のグリーンローン原則(GLP)等への適合を付与した。

 

 住友商事は、総合商社の中で、最近まで海外の石炭火力発電所事業からの撤退が遅れていた。昨年の株主総会では、バングラデシュのマタバリ石炭火力発電所の拡張事業の撤退を求める豪NGOのマーケット・フォースから、パリ協定の「1.5℃目標」に沿った経営を行う事業戦略を盛り込んだ計画の策定を求める株主議案の提出を受けた。https://rief-jp.org/ct7/112709

 

 こうした外部の批判にされされたこともあり、今年2月末、同社の環境政策の基本方針を見直し、新規の石炭火力発電事業・建設工事請負の「例外条項」を削除。マタバリ石炭火力事業への取り組みを断念を表明した。https://rief-jp.org/ct4/113936

 

 今回のグリーンボンド発行は、同社が化石燃料エネルギー開発路線から再エネ等のグリーン事業へ事業転換を図ることを市場に示す形でもある。同社は「本グリーンボンドの発行を通じて、住友商事グループが目指すサステナビリティ経営の高度化を幅広いステークホルダーに認識いただき、かつ資金調達面においても推進していく」とコメントしている。

 

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2022/group/15780

https://www.sumitomocorp.com/jp/-/media/Files/hq/sustainability/greenfinance/framework.pdf?la=ja