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大阪府、府として初のグリーンボンド、10月半ば以降に発行。発行額50億円。気候変動の適応策やCO2排出削減等に充当。「国際金融都市戦略」の一環とするが「国際性は乏しい」(RIEF)

2022-09-29 08:22:30

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 大阪府は27日、府として初のグリーンボンドを10月中旬以降に発行すると発表した。発行額は50億円。調達資金は気候変動対策でのCO2排出量削減策や、気候変動による自然災害激化の影響を緩和する適応策等に充当するとしている。都道府県のグリーンボンド発行としては、東京、長野、神奈川、三重、兵庫等がすでに発行している。

 

 発行する府のグリーンボンドは期間15年。発行単位は1000万円で機関投資家、および個人富裕層の投資を想定している。

 

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 気候変動適応策としては、河川改修、高潮対策や農地防災対策等の風水害対策を中心として、気候変動の影響で年々激しさを増す豪雨時の浸水や土砂災害等の被害軽減を目指す。洪水対策としては1時間雨量50mm程度の降雨(10年に1度の降雨確率)による床下浸水の防止等、高潮対策では人的被害を2013年度の13万3000人から、23年度は7200人程度に軽減する想定。

 

 このほか、ヒートアイランド現象対策として公園緑地整備等の気温上昇抑制策事業、クリーン輸送の整備で公共交通機関の利用を促進するほか、大阪モノレールの延伸、なにわ筋線の整備等にも資金を充当するとしている。

 

 発行時期は10月中旬以降に設定している。主幹事は、みずほ証券、大和証券。セカンドオピニオンは日本格付研究所(JCR)がICMAのグリーンボンド原則(GBP)への適合を付与している。

 

 大阪府は今年3月に「国際金融都市OSAKA戦略」を策定、国際金融都市実現に向けた取組みを推進するとしており、今回のグリーンボンド発行もそうした取り組みの一環、との位置づけだ。国際金融都市戦略では、「アジア・世界の活力を呼び込み『金融をテコに発展するグローバル都市』」「先駆けた取り組みで世界に挑戦する『金融のフロントランナー都市』の二枚看板を掲げる。

 

 大阪府は自らのグリーンボンドの発行に加えて、企業によるソーシャルボンドやグリーンボンド等のSDGs債の発行促進にも取り組むとしている。ただ、「国際金融都市」を戦略として標榜するのであれば、国内の都道府県と同程度あるいはそれよりも小規模なグリーンボンドを1本、発行するだけでは、「国際化」にはほど遠い。大阪府には「国際基準」のスケールのサステナブルファイナンス戦略を展開してもらいたい。

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27250/00432263/220927flyer.pdf

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27250/00432263/220927framework.pdf