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国連の自由権規約委員会(UNHRC)、日本の入管施設で収容者3人が死亡した問題等に懸念表明。独立した人権救済機関の設置を「人権軽視国ニッポン」に勧告(RIEF)

2022-11-05 09:07:30

UNHRCキャプチャ

 

 移民等への日本の対応が国連から批判を受けている。国連自由権規約委員会(UNHRC)は3日、日本の入管施設で2017~21年の間に3人の収容者が死亡した問題等に懸念を表明し、国際基準に準拠した独立性のある人権救済機関の設置を日本政府に要請する勧告を出した。日本政府の人権対応が国際基準からかけ離れていることを浮き彫りにする指摘だ。

 

 勧告は、エチオピア、カザフスタン、ニカラグア、フィリピン、ロシアの各国と並んで日本に対しても発せられた。これらの国々は「人権課題国」として共通するとの認識だ。日本政府は気候変動問題でも「脱炭素」に後ろ向きと評価されており、日本政府のESG対応の低さに対する国際的な評価が定着しそうだ。

 

 日本に対しては、入管施設に長期収容された収容者3人が、死亡した問題とを指摘。入管に収容されている人たちが弁護士に連絡をとったり、適切な医療措置を受けるという基本的な保護を受けられるようにする措置をとることを政府に求めた。現状の入管対応がそうした基本的人権を守る体制になっていないとの判断に基づく。

 

 また、長期にわたる独房監禁を控え、移民が虐待されないよう適切な措置を講じることを求めた。勧告が求める人権救済機関は、国際基準に準拠し、日本政府から独立した機関とする。日本政府の人権対応が信頼できないという判断に基づく勧告といえる。

 

 また、裁判所の判断を経ずに子どもが家族から離されて自動養護施設等に預けられていることにも憂慮を示している。日本政府に、子どもが家族から離される際の明確な基準を確立し、引き離しは最後の手段とするよう求めた。

 

 こうした勧告に対して、各紙の報道では、葉梨康弘法相は4日の会見で、人権救済機関の設置について「勧告は指摘としてしっかり受け止める」とする一方、「現段階では個別法によるきめ細かな対応をしていきたい」と機関の迅速な設置については否定的な考えを示した。「人権軽視国ニッポン」の汚名返上にはまだ時間がかかりそうだ。

https://www.ohchr.org/en/press-releases/2022/11/un-human-rights-committee-issues-findings-ethiopia-japan-kyrgyzstan

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15465413.html