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タイ政府。CO2排出量の多い、エネルギー、輸送、産業の3部門を対象としたカーボン税の導入検討へ。年内にも結論。EUのカーボン国境調節メカニズム(CBAM)もにらむ(RIEF)

2023-04-11 16:54:12

ThailandMOFキャプチャ

 

  タイ政府は2050年ネットゼロの目標達成のため、エネルギー、輸送、産業の3分野を対象としたカーボン税の導入を検討していることを明らかにした。導入時期については明確にしていないが、導入のための検討作業は年内に結論を出すとしている。タイがこれらの産業へのカーボン税を導入する要因の一つとして、EUが2026年からの導入を決めているカーボン国境調節メカニズム(CBAM)対応も念頭にあるとされる。

 

 現地での報道によると、財務省の間税局がカーボン税の導入を検討しているという。同税の課税対象の候補とされるエネルギー部門はタイのO2排出量の35%を占め、輸送部門は同32%、産業部門は27%と、これらの3部門全体で排出量の94%を占める(残りの6%は家計部門)。カーボン税を課税することにより、これらの部門において、よりクリーンな再生可能エネルギーへの使用に転換することを促進する狙いがある。

 

 同税導入によりこれら3部門からのCO2排出量を現状比で30%削減することを目指すとしている。タイは国連気候変動枠組み条約での国別排出削減貢献(NDC)として2050年までにカーボンニュートラルと、2063年までのGHGネットゼロ、輸入燃料費用の削減を掲げている。カーボン税はそうした目標達成のための政策手段の一つとして位置付けられる。

 

 財務省の間税局の勢計画部門の責任者のNutthakorn Utensute氏は、検討中のカーボン税の詳細については明らかにしていないが、同税の検討作業を続けていることを明かし、年内に作業が完了する見通しを語った。

 

 またタイ政府の自然資源・環境政策・計画省に新たに設立された気候変動管理調整局(Department of Climate Change and Environment)は、CCS技術に関する研究も担当しているほか、別途、スイスとの間で電気バスを導入することによるカーボンクレジット取引も検討を進めている。

 

 同局局長のRosalind Amornpitakpun氏は「カーボン税とカーボンクレジット取引の両政策は、3部門のO2排出削減の行動計画とともに、国の気候変動法(Climate Change Act)に盛り込まれるべきと説明している。同氏は、11月の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に向けて、これらの国内政策を明確化していくとしている。

 

https://business.inquirer.net/395309/thailand-set-to-impose-a-carbon-tax-on-3-major-economic-sectors

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