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官民主導の「GX推進機構」が始動。1000億円の基金を元手に10倍の1兆円の信用保証を、GX事業に投融資する金融機関等に提供。「焦げ付きの引き受け機関」にならないでもらいたい(各紙)

2024-07-01 16:53:30

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 (写真は、NHKニュースから)

 各紙の報道によると、政府がグリーン・トランスフォーメーション(GX)政策の官民資金供給の「かなめ役」として位置づけるGX推進機構が1日、業務を開始した。同機構は1000億円の基金を元手に、GX関連の移行事業にファイナンスを提供する金融機関、投資家の投融資に対してリスクヘッジのための信用保証の提供を主な業務とする。保証の上限額は、基金の10倍となる1兆円に設定し、保証率は最大100%を目指すとしている。

 報道によると、1日の機構スタートの式典では、理事長に就任する日本生命の会長の筒井義信氏が「『2050年カーボンニュートラル』、そして産業競争力の強化を同時に実現するために、今後10年で150兆円を超える官民によるGX投資を推進することが機構の使命だ。官民で連携して使命を果たしていきたい」と述べた。

理事長の筒井氏
理事長の筒井氏


 
 機構は、金融機関のGX投融資に対して信用保証を付与するほか、2026年度から、政府が本格的に始める予定の排出量取引制度の運営や、2028年度から、化石燃料を輸入する石油元売り会社等から徴収する「炭素賦課金」の徴収業務等も担当する。

 機構の陣容は、理事長のほか、専務理事のCOOにボストンコンサルティンググループの重竹尚基氏、 理事には企画・総務担当として経済産業省出身の梶川文博氏、同じく同省の井上峰人氏(金融審査担当)、同、金融庁出身の高田英樹氏(財務・サステナビリティ推進担当)、 同、みずほフィナンシャルグループの五百森香苗氏、監事に弁護士の千原真衣子氏。

 運営委員会には、経団連会長の十倉雅和氏が就き、委員長代理に熊本県立大学特別栄誉教授の白石隆氏、委員に東京大学名誉教授の伊藤元重氏、日本格付研究所常務執行役員の梶原敦子氏、早稲田大学法学部教授の森本英香氏、 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査・開発本部サステナビリティ経営支援室長の吉高まり氏、TMI総合法律事務所パートナーの吉井久美子氏、がそれぞれ就任した。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240701/k10014498121000.html

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA272RE0X20C24A6000000/