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国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)。カナダ・モントリオールに常設オフィス開設。常設4拠点、併設2拠点の体制そろう。同市は北米のサステナブルファイナンス拠点を目指す(RIEF)

2024-05-15 23:18:38

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写真は、サステナブルファイナンス都市を目指すモントリオール)

 

 国際財務報告基準(IFRS)財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は15日、カナダ・モントリオールに常設事務所を開設したと発表した。ISSBは2022年6月以降、同地に暫定事務所を開設し、2023年6月に公表した気候・サステナビリティ情報開示基準(S1、S2)の開発等を進めてきた。ISSBはS1、S2に続くサステナビリティ分野の情報開示の国際共通基準づくりのための作業計画(ワークプラン : 2年間)を、今年度から新たに始めている。

 

  常設オフィス開設を記念して、カナダの官民セクターの関係者やパートナーが集まり、ISSBがサステナビリティ情報開示基準のグローバル・ベースラインを策定したことを祝うイベントが、モントリオールで開催された。

 

 ISSBの常設オフィスとしては、独フランクフルト、米サンフランシスコ、中国北京に次ぐ4拠点目。これら例外に、英ロンドンと東京に、国際会計基準審議会(IASB)と併設する形のオフィスがある。https://rief-jp.org/ct4/131292?ctid=

 

 ISSBの活動は、S1、S2の公表・施行を受け、現在は、各国での国内基準化が進んでいる。一方で、気候・サステナビリティに次ぐ新たな分野への対応を検討する今年度からのワークプランでは、研究プロジェクトとして、生物多様性と人的資本の両分野において、企業が抱えるリスクと機会に関する情報開示の研究を開始している。

 

 ISSBが昨年、次期サステナビリティ分野の課題としてステークホルダー調査を行った対象としては、両分野のほか、人権、財務報告とサステナビリティ報告のコネクティビティの4分野を掲げた。このうち、調査結果を踏まえて、今回、生物多様性と人的資本に絞られた形だが、当初想定されていたこれらの分野の基準化作業には直ちに入らず、「研究プロジェクト」の位置に留めている。https://rief-jp.org/ct4/144835?ctid=

 

 モントリオールオフィスの開設について、ISSB議長のエマニュエル・ファベール(Emmanuel Faber)氏は「モントリオール事務所は、ISSBがその任務を果たす上で重要な役割を果たしており、ISSBメンバーや中核的な機能を受け入れ、ISSBが地域全体の幅広いステークホルダーと関わることを可能にしている。今後もモントリオールのカウンターパートと緊密に協力していきたい」と述べている。

 

 モントリオール市長のヴァレリー・プランテ(Valérie Plante)氏は「ISSBがモントリオールに進出することで、同市が国際的に持続可能な金融の中心地としての役割を果たすことができる。もはや金融抜きで気候を語ることはできまないし、気候抜きで金融を語ることもできない。ISSBは、世界中の企業に対して持続可能性の開示基準を設定し、エコロジーの変革を大きく加速させるだろう。われわれの野心は明確だ。モントリオールを北米のグリーンでサステナブルなサーキュラー経済のリーダーとして位置づけることだ」と期待を示している。

https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2024/05/issb-opens-permanent-montreal-office/?utm_medium=email&utm_source=website-follows-alert&utm_campaign=immediate