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三井住友信託銀行、UNEP FIのポジティブ・インパクトファイナンス融資、新たに5件。住友金属鉱山にはドル建てシローン。借り入れ企業のSDGs貢献活動を支援(RIEF)

2020-03-27 13:01:55

MTSuキャプチャ

 

 三井住友信託銀行は、国連環境計画金融イニシア ティブ(UNEP FI)提唱のポジティブ・インパクト金融原則に基づく「ポジティブ・ インパクト・ファイナンス」の融資契約を新たに5社と締結した。住友金属鉱山、日本製紙、SUBARU、住友林業、東洋アルミニウムの各社。いずれも、SDGs達成への貢献度合いを評価指標として活用し、その実現を市場に評価してもらう形をとる。

 

 三井住友信託銀行の同原則に基づく融資は昨年、不二製油とJ.フロント リテイリングの2社に実施しており、今回の5社を加えて7社になった。不二製油への融資については、一般社団法人環境金融研究機構の第5回サステナブルファイナンス大賞の選考で優秀賞に選ばれている。

 

 ポジティブ・インパクト金融原則は2017年にUNEP FIが提唱したもので、同原則に基づくファイナンスのグローバルな第一号は三井住友信託銀による昨年3月の不二製油向け融資。今回の5件の新規融資を合わせると、1年で融資件数を7件に積み上げたことになる。国際的にみても、同行の取り組みの積極さがうかがえる。

 

UNEP1キャプチャ

 

 同原則は「国連持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を金融面から支援する枠組みとして立ち上がった。融資を受ける企業は自社のSDGsの達成への貢献を主要業績指標(KPI)で開示する。金融機関はその開示内容からプラスの評価をして資金を提供する。企業のSDGs取り組みのプラスの影響を高め、マイナス影響を低減する努力を後押しする狙いがある。

 

 融資資金はグリーンボンド等とは異なり、特定のプロジェクトではなく、一般の運転資金に充当できる。開示されたKPIは融資した金融機関だけでなく、一般にも公開されることから、目標通りのKPIの達成ができていないと、市場からマイナス評価を受けることになる。各社の活動が原則に準拠しているかどうか、設定したKPIの妥当性等については日本格付研究所(JCR)が第三者評価を付与している。

 

 今回の5社のうち、住友金属鉱山向け融資は、同原則に沿った融資としては初のドル建てのシンジケートローン。住友金属は、「世界の非鉄リーダー」を目指し、2020 年 3 月に「2030 年のありたい姿」を公表した。その中でSDGs9項目を特定、経営ビジョンと直結する SDGsの目標12つくる責任 つかう 責任」を最重要ゴールと定めている。

 

 同社が開示したKPIは、①銅権益生産量30万㌧/年、ニッケル生 産量15万㌧/年の早期達成 ②不純物固定技術プロセスの開発と実証の早期達成 ③2030年のGHG総排出量を2013年度総排出量以下に抑制④2030年の GHG 排出量原単位を2013年度比26%以上削減、など。

 

 同様に、日本製紙のKPIは、①自社林の森林認証取得率100%を維持継続②製紙原料 100%を森林認証制度で認められた材とする③GHG排出量を2020年度 までに2013年度比で10%削減するーーなど。

 

 SUBARUには、円貨建てのシンジケートローンとして100億円を供給する。シ団には住友生命、第一生命、山梨中央銀行、中京銀行、ゆうちょ銀行が加わる。同社のKPIは、①自社活動によるCO2排出量を 2030年に30%削減(2016年度比)②2030年までに、全世界販 売台数の40%以上を電気自動車(EV)+ハイブ リッド車にする、など。


  住友林業のKPIは、①国内外の森林認証面積 2021年度までに22万1467haとする②自社生産苗木の植林面積及び供給本数を2021年度までに7920ha、726万本③自社活動によるGHG排出量を2030 年に2017年比 21%削減--など。

 

 東洋アルミニウムのKPIは、①2031年にSDGsに貢献する製品売上高を3倍に増加 (2019年度比)②自社の活動からのCO2排出量削減 (エネルギー見える化等)③アルミリサイクルシステム構築を2031年30%削減(2013 年度比)--など。

https://www.smth.jp/news/2020/200324-1.pdf

https://www.smth.jp/news/2020/200324-2.pdf

https://www.smth.jp/news/2020/200326-1.pdf

https://www.smth.jp/news/2020/200326-2.pdf

https://www.smth.jp/news/2020/200326-3.pdf