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東芝不正問題。 金融庁機関の公認会計士・監査審査会も見抜けず。 2011年に新日本監査法人を検査 不正指摘せず(東京)。金融庁にも「課徴金」かな(?)

2015-12-30 09:53:51

FSAキャプチャ

  不正会計問題を起こした東芝を監査した新日本監査法人に対し、金融庁の公認会計士・監査審査会が二〇一一年、検査に入り、東芝の監査の実態を調べていたことがわかった。

 

 金融庁は新日本に二十一億円の課徴金納付を命令したが、新日本は一時、「審査会の検査で東芝の監査は問題なしとされた」と主張。検査が不正発見につながらなかったばかりか、お墨付きを与えた形になり、審査会は検査方法について検討を始めた。 (伊藤弘喜)

 

 審査会が検査したのは東芝の一一年三月期決算。不正会計が行われていた時期だったが、新日本は当時、「適正」とみなしていた。関係者によると、審査会は一一年に定期検査の一環で新日本に立ち入り。東芝の決算を調査することで、新日本の監査体制を検査した。

 

 その結果、不正が起こる可能性を踏まえた監査計画の立案をしているか、会社側の説明を批判的に検討しているか、といった点に不備があったとして、新日本側に改善を求めた。

 

 しかし、東芝の不正会計は発見できず、不正拡大を防ぐことはできなかった。

 

 また検査は、新日本側に要求した改善点を文書で報告を受けて終了した。このため新日本は問題発覚後、東芝の監査は「審査会の検査でも問題なかった」と幹部社員などに説明、監査の正当性を一時期強調していた。

 

 新日本に対しては、審査会と連携し、「日本公認会計士協会」も定期的に調べていたが、東芝の不正会計を発見することはできないままだった。

 

 不正を発見できなかったことに対し審査会幹部は「検査は不正の有無をチェックするのが目的ではない」としつつ、「今回の件を踏まえ、検査体制の強化を検討する」と指摘。現在、二年に一度行っている大手監査法人への定期検査を「一年ごとにするのか、改善状況をみるために一年では短すぎるのかを含め、検討する」としている。

 

 <公認会計士・監査審査会> 公認会計士と監査法人を指導・監督する行政機関。組織上は金融庁の傘下にある。国内外で監査の信頼性を揺るがす会計事件が相次いだことから、2004年4月に発足した。主な業務は公認会計士試験の実施や、公認会計士の自主規制団体「日本公認会計士協会」の調査を踏まえた、監査法人の定期的な検査。会計士や監査法人の監査業務に問題がある場合、金融庁は審査会の意見を聞き、業務停止などの行政処分を下す。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201512/CK2015123002000100.html