HOME11.CSR |三菱自、オランダ生産子会社を何と!1ユーロで売却 雇用維持条件に(各紙) |

三菱自、オランダ生産子会社を何と!1ユーロで売却 雇用維持条件に(各紙)

2012-07-11 20:57:30

三菱自動車のオランダ工場(同社提供)
各紙の報道によると、三菱自動車は11日、同社が全額出資するオランダ生産子会社「ネザーランズ・カー(ネッドカー)」を1ユーロで売却することを決めた。売却先は、オランダの現地でバス製造などを手がけるVDLグループ。すでに譲渡で合意している。年内までは三菱車の生産を続けるが、来年からは独BMWから委託を受け、「MINI(ミニ)」を生産するという。1ユーロ譲渡の条件は、同工場労働者の雇用全員引き継ぎが条件。

三菱自動車のオランダ工場(同社提供)




 三菱自動車は2月に、ネッドカーでの生産を年内で終了し、工場の売却方針を発表している。この際、売却の条件として、工場で働く1500人の従業員をすべて引き継ぐことを挙げていた。譲渡先をめぐっては、欧州の有力自動車メーカーとも交渉したものの、折り合えなかった。一方、VDLとは条件としていた従業員の雇用維持で、基本的に合意できた。1ユーロの売却で、三菱は280億円の損失が生じる。今期に特別損失を計上して処理する予定。

 ネッドカーは小型車「コルト」の生産のほか、SUV(スポーツ用多目的車)「アウトランダー」を日本からの部品供給によってKD(ノックダウン)生産していた。しかし、円高の影響で採算が厳しく、今後の回復も十分に見込めないので、欧州からの生産撤退を決めた。VDLはすでにBMWと、ミニの生産委託の協議も進めている。BMWは、世界的に販売が好調で生産能力増強が課題になっており、今回の買収でオランダでの増産を図る。