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世界各国の気候対策評価ランキング、日本は前年比5ランク下落し全体59カ国中50位。最下位「非常に低い」グループ入り。日本政府の気候政策の「低い評価」が日本「落第」の要因に(RIEF)

2022-11-18 12:35:56

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  ドイツの環境NGOジャーマン・ウオッチ(GermanWatch)が世界各国の温暖化対策を比較評価する「Climate Change Performance Index(CCPI)」の最新版(2023年版)が公表された。全体評価でもっともスコアが高かったのはデンマーク(79.61点)。1~3位は空席とするため、4位の同国が最高位。日本(40.85点)は前回より5ランク下がって50位。分野別の5段階分類で最下位の「Very Low」グループ。特に日本政府の「気候政策」のスコアが55位と低く、全体の水準を押し下げた。

 

 CCPI調査では、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の92%を排出する59カ国とEU諸国の政策を評価対象にしている。評価は「GHG排出量(全体評価の40%)」、「再生可能エネルギー(同20%)」、「エネルギー利用(同20%)」、「気候政策(同20%)」の4分野への取り組みを、各5段階でスコア評価し、各分野のランク評価と総合評価を出す手法だ。https://rief-jp.org/ct8/109259

 

 同調査は2005年以来、毎年公表している。今回、全体評価でもっともスコアが高かったのはデンマーク(79.61 )。1~3位は空席で除外するため、4位扱いの同国が最高位。日本は前回より5ランク下がって50位。5段階の分野別では最下位の「非常に低い(Very Low)」グループ。特に日本政府の「気候政策」のスコアが55位と低かった。

 

CCPI004キャプチャ

 

 日本の評価は、GHG排出量、再エネの両分野でも「非常に低い」評価となった。唯一、「エネルギー使用」分野で標準的な「中間的」評価を得た。各個別分野で得たスコア水準は昨年と変わらないが、とりわけ「気候政策」のスコアの低さが、日本全体の評価を下げた。

 

 日本は気候政策として、2030年のGHG排出量46%削減、50年ネットゼロを掲げている。しかし、CCPIの評価専門家は、日本はこうした目標を達成するための明確な政策をほとんど示しておらず、不十分だと批判している。たとえば石炭火力発電の段階的削減計画を示さず、効果的なカーボンプライシング政策もなく、再エネ開発計画も明確ではない、と指摘している。

 

 全体評価では、5段階区分の最上位の「非常に高い(Very High)」の評価(上位3カ国)を得た国は、今回もなかった。上位から二番目の「高い(High)」評価には、最高位のデンマークの4位(スコア79.61)。スウェーデン5位(73.28)、チリ6位(69.54)の順で合計15カ国がランクインした。G20諸国でこの「高い」クラスに入ったのはインド(8位)、英国(11位)、ドイツ(15位)の3カ国だけ。後のG20諸国は「低い(Low)」「非常に低い(Very Low)」に分類されている。

 

CCPI003キャプチャ

 

 日本も入っている最下位グループの「非常に低い」には、14カ国がリスト化された。中国、米国の二大CO2排出国のほか、ロシア、カナダ、サウジ、韓国など。最下位はイラン。G20諸国の中では、カナダ、ロシア、韓国、サウジの4カ国はいずれもスコアが20点台で、もっとも悪いパフォーマンス国とされる。日本も同グループだが、スコアは40.85点で、カナダの5割増し。気候政策がもう少し、ちゃんとしていたら、もう一ランク上に分類されたといえる。

CCPI-2023-Results-2.pdf

Climate Change Performance Index 2023 | Climate Change Performance Index (ccpi.org)